2026年10月16日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「歯医者で、歯の根の先に膿がたまっていると言われた」
「神経を取った歯なのに、噛むと痛い」
「レントゲンで黒い影があると言われたけど、抜歯しないといけない?」
このような経験はありませんか?
歯の根の先に炎症が起こる病気を**根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)**といいます。
根尖性歯周炎は、むし歯が進行した歯や、過去に根管治療を受けた歯に起こることがある病気です。
「膿がたまっている」と聞くと、すぐに抜歯が必要なのではないかと心配になる方も多いと思います。
しかし、根尖性歯周炎になったからといって、必ず歯を抜かなければいけないわけではありません。
根管治療によって感染をコントロールできれば、歯を残せる可能性があります。
当院でも根尖性歯周炎などの神経治療にも力を入れております。ラバーダムを行ったり、マイクロスコープやニッケルチタンロータリーファイル、バイオセラミックの設備もありますのでお気軽にご相談ください。
今回は、根尖性歯周炎の原因や症状、治療方法について詳しく解説します。
① 根尖性歯周炎とは?根の先に何が起きている?
歯の内部には、神経や血管が通る「根管」という細い空間があります。
通常、歯の内部は細菌が入り込まない状態に保たれています。
しかし、むし歯が深く進行したり、過去の根管治療を受けた歯が再感染したりすると、根管内に細菌が入り込むことがあります。
その細菌や細菌が作り出す物質が根の先の組織に影響すると、体の免疫反応によって炎症が起こります。
これが根尖性歯周炎です。
炎症が続くと、根の先の周囲にある骨が吸収され、レントゲン写真で黒い影として見えることがあります。
この黒い影は「根尖病変」と呼ばれます。
ただし、レントゲンで黒い影が見えるからといって、必ずそこに膿がたまっているとは限りません。
治っているけども骨ができていなくて黒い影が映っているだけの場合もあります。この場合は無理に治療する必要はありません。実際に確認するためには組織切片を取って顕微鏡で見てみる必要がありますが、状況から判断することが多いです。例えば治療して10年以上経っているけどとても小さな影であれば様子を見ましょうという風になってきます。このあたりは例えば腫瘍があった場合に良性か悪性か取ったほうがいいものか取らなくていいものかというのを状況から推測していくのと同じです。
炎症による肉芽組織や嚢胞性の病変など、さまざまな状態が考えられます。
② 根尖性歯周炎になる原因は?
主な原因は、根管内の細菌感染です。
例えば、深いむし歯によって歯の神経が感染し、壊死してしまうと、細菌が根の先まで広がることがあります。
また、一度根管治療を受けた歯でも、根管内に感染が残っていたり、被せ物の隙間から細菌が入り込んだりすると、根尖性歯周炎が生じる場合があります。
根管は非常に複雑な形をしており、細い枝分かれや湾曲が存在するため、内部の細菌を完全に取り除くことは困難です。
そのため、根管治療では細菌の数をできるだけ減らし、体の免疫機能によって炎症をコントロールできる状態を目指すことが重要になります。
なお、歯根破折などが原因で根の周囲に炎症が生じることもあり、正確な診断が必要です。
③ 根尖性歯周炎にはどんな症状がある?
根尖性歯周炎の症状は、炎症の状態によって異なります。
代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 歯を噛み合わせると痛い
- 歯が浮いたような感じがする
- 歯ぐきが腫れる
- 歯ぐきにニキビのようなできものができる
- 強い痛みや拍動するような痛みが出る
歯ぐきにできるニキビのようなできものは「サイナストラクト」と呼ばれ、感染によって生じた排膿路である場合があります。
こういった状況の場合には、感染がアクティブな場合がありますので、歯を保存していく場合は積極的な治療をおすすめします。ただし根管治療の再治療にもリスクはあります。例えば治療を通してもうすでにたくさん歯を失っている歯をさらに削る必要が出てきますので、歯がもろくなってしまったり、ばい菌が強くて感染が十分にしききらないリスクもあります。
一方、根尖性歯周炎があっても、まったく痛みがない場合もあります。
特に慢性的な炎症では、自覚症状がほとんどなく、定期検診のレントゲンで偶然発見されることもあります。
痛みがないからといって、必ずしも問題がないわけではありません。
④ 痛みがなくなったら治ったということ?
ここは患者さんにぜひ知っていただきたいポイントです。
根尖性歯周炎による痛みは、強くなったり弱くなったりすることがあります。
例えば、根の先にたまった膿が歯ぐきから排出されると、内部の圧力が下がり、一時的に痛みが軽くなることがあります。
しかし、根管内の感染源が残っていれば、炎症が再び悪化する可能性があります。
つまり、痛みがなくなったことと、感染が治ったことは同じではありません。
また、抗菌薬を服用して症状が落ち着いたとしても、それだけで根管内の感染を十分に取り除けるわけではありません。
根尖性歯周炎の治療では、症状だけでなく、感染の原因に対する治療が重要です。
⑤ 根尖性歯周炎はどうやって治療する?
根尖性歯周炎の基本的な治療方法は、根管治療です。
歯の内部にある感染した組織や細菌を取り除き、根管内を洗浄・消毒します。
その後、根管内を適切に封鎖する「根管充填」を行います。
過去に根管治療を受けている場合には、古い根管充填材を取り除き、再び根管内を清掃する「再根管治療」が必要になることがあります。
ここで重要なのは、根の先の膿を直接取り除くことだけが治療の目的ではないということです。
多くの根尖性歯周炎では、根管内の感染をコントロールすることで、根の先の炎症が落ち着き、周囲の骨の回復が期待できます。
ただし、病変の大きさや感染の状態などによって治癒経過は異なります。
⑥ 根管治療で治らない場合はどうする?
根管治療を行っても、根の先の病変が改善しない場合があります。
例えば、根管の形が複雑で器具が届かない部分に感染が残っていたり、歯根に亀裂が入っていたりする場合です。
そのような場合には、歯の状態に応じて追加の治療を検討します。
代表的な方法の一つが「歯根端切除術」です。
これは、歯ぐき側から外科的に根の先へアプローチし、根尖部や病変を処置する方法です。
また、症例によっては意図的再植などを検討する場合もあります。
ただし、これらの治療がすべての歯に適応できるわけではありません。
歯根が大きく割れている場合や、歯を支える組織が著しく失われている場合には、抜歯が必要になることもあります。
根尖性歯周炎があるという理由だけで抜歯を決めるのではなく、歯を保存できる可能性を総合的に判断することが大切です。
⑦ 根管治療でラバーダムが重要な理由
根尖性歯周炎の治療では、根管内の細菌をできるだけ減らすことが重要です。
そこで役立つのが「ラバーダム」です。
ラバーダムとは、治療する歯の周囲をゴム製のシートで覆い、唾液が入り込まないようにする器具です。
唾液には多くの細菌が含まれているため、根管治療中に唾液が入り込むと、根管内が新たに汚染される可能性があります。
また、ラバーダムには、根管洗浄液が口腔内へ漏れるリスクや、小さな器具の誤飲・誤嚥のリスクを減らす役割もあります。
当院では、根管治療における感染対策を重視し、必要に応じてラバーダムを使用しています。
さらに、歯の状態に合わせてマイクロスコープやニッケルチタンファイルなども活用しています。
根管治療は、歯の中の細菌をいかにコントロールするかが重要な治療です。
⑧ 根の先の黒い影はいつ消える?
根管治療後、痛みや腫れが落ち着いても、レントゲン上の黒い影がすぐに消えるとは限りません。
根の先の骨が回復するまでには時間がかかるためです。
症例によっては数か月から1年以上かけて徐々に改善していくことがあります。
そのため、根管治療が終了した後も、必要に応じてレントゲン撮影を行い、病変の変化を確認することが大切です。
また、黒い影が残っているからといって、直ちに治療が失敗したと判断できるわけでもありません。
症状の有無と画像上の変化を合わせて、時間をかけて評価することが重要です。
⑨ 根尖性歯周炎を放置するとどうなる?
根尖性歯周炎を放置すると、炎症が続き、根の先の骨の吸収が進行する場合があります。
また、急に炎症が悪化して、強い痛みや腫れが生じることもあります。
感染が周囲の組織に広がると、顔が腫れたり、発熱したりすることもあります。
特に、腫れが急速に広がる、口が開きにくい、飲み込みにくい、呼吸が苦しいといった症状がある場合には、速やかな医療機関での評価が必要です。
呼吸が苦しい場合は、救急受診が必要です。
一方、すべての根尖病変が急速に悪化するわけではなく、治療の必要性やタイミングは歯の状態によって異なります。
痛みがなくても、歯科医院で指摘された場合には、放置せずに診断を受けることをおすすめします。
⑩ 博多歯科・矯正歯科が大切にしている根管治療
博多歯科・矯正歯科では、できるだけ天然の歯を残すことを大切にしています。
根尖性歯周炎が見つかった場合も、すぐに抜歯を前提とするのではなく、根管治療によって保存できる可能性を検討します。
当院では、ラバーダムによる感染対策に加え、必要に応じてマイクロスコープ、ニッケルチタンファイル、歯科用CTなどを活用しています。
ただし、どれだけ設備を整えても、すべての歯を残せるわけではありません。
根管治療の成功には、根管の形態、感染の程度、歯の残存量、歯根破折の有無、治療後の被せ物の状態など、さまざまな要因が関係します。
僕は、根管治療の目的は、単に痛みを取ることではなく、その歯を長く使える状態にすることだと考えています。
そのため、根管治療後の土台や被せ物による封鎖、噛み合わせの管理まで含めて治療を考えています。
まとめ|根尖性歯周炎でも歯を残せる可能性があります
根尖性歯周炎は、主に根管内の細菌感染によって、歯の根の先に炎症が起こる病気です。
痛みや腫れが出ることもあれば、自覚症状がほとんどない場合もあります。
治療の基本は根管内の感染をコントロールする根管治療であり、状態によっては外科的な治療を検討することもあります。
根の先に膿がたまっていると言われても、必ず抜歯が必要というわけではありません。
大切なのは、原因を正しく診断し、歯を残せる可能性と治療の限界を理解したうえで、適切な方法を選ぶことです。
博多駅周辺で、根の先の膿や根管治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
博多駅エリアで2院体制|博多歯科 KITTE博多院とも連携しています
博多駅博多口から徒歩5分の「博多歯科・矯正歯科」に加え、博多駅直結の「博多歯科 KITTE博多院」でも、むし歯治療や根管治療などに対応しています。
両院とも平日21時まで、土日祝日も診療しており、複数の歯科医師による診療体制を整えています。
歯の痛みや、過去に根管治療を受けた歯の再治療についてもご相談いただけます。
博多歯科・矯正歯科
電話番号:092-402-2976
院長
工藤 幸暉(くどう こうき)
経歴
- 九州大学 歯学部卒
- 2025年 デジタル矯正歯科学会認定医取得
- 2026年 日本歯周病学会認定医取得
資格・所属学会
- 九州大学病院歯周病科研修登録医
- 日本歯周病学会所属
- デジタル矯正学会所属
- 大阪SJCD所属
- G.F.Oベーシック修了
- 船越研修会ベーシック修了
- TMJ LIVE インストラクター
- スタディーグループMjARSボードメンバー