歯がグラグラする
歯がグラグラする
「歯が動く気がする」「前より噛みにくい」「噛むと“浮いた感じ”がする」
歯のぐらつき(歯の動揺)は、歯ぐき・骨・歯の根・噛み合わせのどこかにトラブルが起きているサインです。
痛みが少なくても進行していることがあるため、“原因を見極めて早めに対処する”ことが大切です。
顔が腫れる/発熱がある/飲み込みづらい/強い痛みが続く場合は要注意。感染が広がっている可能性があります。早めに受診してください。

歯は「歯ぐき」だけで支えられているわけではありません。
歯と骨の間にある
歯根膜(クッション)
歯槽骨(歯を支える骨)
この2つが安定のカギです。
これらが炎症や強い力で傷むと、歯が水平方向、場合によっては上下方向にも動くようになります。
歯の動揺度は、歯科ではMiller分類(0〜3度)で評価します。[1]
動揺度と画像・歯周ポケット検査を組み合わせて、原因と重症度を判断します。
歯肉炎は炎症が歯ぐきに限局し、骨の吸収は起きません。
一方、歯周炎では歯槽骨が減少し、動揺が出やすくなります。
現在は、
ステージ(重症度)
グレード(進行リスク)
で評価する国際分類が採用されています。[2]
特にステージIII〜IV相当では、深い歯周ポケットや骨欠損、二次性咬合性外傷が絡み、ぐらつきが主訴になりやすい傾向があります。
神経が感染・壊死すると、
とともに『動揺』を感じることがあります。
X線画像検査を行い、根っこの先で骨の吸収が起きていないかを確認します。
原因除去として根管治療やむし歯が併発していれば、同時に除去を行います。
歯周病がなくても、強すぎる咬合力によって歯がぐらつくことがあります。
これを、咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)といいます。
特に食いしばりや歯ぎしりがある方では、歯を支える歯根膜や骨に負担が蓄積します。
人は睡眠中、体重以上の力(100kg近い力)で食いしばることがあります。
しかも無意識なので、自覚がないことがほとんどです。
診断方法:動揺度1度以上+歯根膜腔の拡大などの画像所見。
治療方法としては、
などを組み合わせて対応します。
※ただし、歯周病の炎症が強い場合は、まず炎症のコントロールを優先します。
転倒・スポーツ・硬い物を噛んだ衝撃など。
「亜脱臼」は、歯の位置は変わらないが、明らかな動揺を伴う外傷と定義されます。
外傷による歯の神経が失活し、数年後に歯の色が暗くなることがあります。
歯根破折がある場合、保存が難しくなることもあるため早期診断が重要です。
これらがある場合、歯周病や咬合性外傷の関与が疑われます。
歯の動揺を放置すると、
ただし「動揺=即抜歯」ではありません。
原因を特定し、適切に治療すれば長期維持できるケースは多くあります。
感染が関与する場合は原因除去が必要です。
歯周炎や感染が原因の場合は自然回復は期待しにくいです。外傷や噛み合わせの炎症が落ち着けば症状が改善することもありますが、治癒しているわけではありません。
歯周炎は痛みが少ないまま進行することがあります。放っておくと、自然と歯が抜け落ちる可能性があります。
固定は補助療法であり、炎症コントロールが重要です。
[1] 日本歯周病学会『歯周治療のガイドライン 2022』
[2] 日本歯周病学会「歯周病の新分類への対応」
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