2026年10月05日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「むし歯があると言われたら、必ず削らないといけない?」
「小さいむし歯なら自然に治ることもある?」
「歯医者によって削る・削らないの判断が違うのはなぜ?」
実は、むし歯が見つかったからといって、すべてをすぐに削る必要があるわけではありません。
むし歯の進行度や実際に穴が開いているか、患者さんのむし歯リスクなどによっては、削らずに経過観察できる場合があります。
基本的に歯は削ると悪くなってしまうことが多いので、削らなくていい歯はなるべく削らないというのが僕の治療方針でもあります。
今回は、どのようなむし歯なら経過観察できるのか、反対にどのような状態では治療を検討するのかを解説します。
むし歯は「できたら必ず削る」わけではありません
以前は「むし歯は早く見つけて早く削る」という考え方が一般的でした。
しかし現在は、できるだけ健康な歯質を残すという考え方が重要になっています。
今まで削ってきた歯がまた虫歯になってしまったり、歯を削ったことで歯がもろくなってしまい割れてしまうようなリスクというのが顕在化してきたので、現在の考え方ではなるべく歯を削らないという治療、MI治療というのが一般的です。
歯は一度削ると元の天然歯に戻すことはできません。詰め物をして治療することはできますが、天然の歯を人工物に置き換えていることには変わりありません。
そして、詰め物の周囲から再びむし歯になれば、さらに歯を削る必要が出てくることがあります。
だからこそ僕たちは、「むし歯があるか」だけではなく、「今、本当に削る必要があるのか」まで考えることが大切だと思っています。
削らずに経過観察できるむし歯とは?
むし歯の初期段階では、歯の表面からミネラルが失われているものの、まだ明らかな穴が開いていないことがあります。
このような状態を「初期う蝕」と呼びます。
虫歯にはレベルが1から4まであります。もっと言うと0もあります。レベル0は怪しいなという程度ですが、レベル1以降は明確に虫歯として定義されます。しかしレベル1の虫歯はエナメル質という硬い表層にのみ限局しているので進行がすごくゆっくり、もしくは止まっていることもありますので、この場合は経過観察、予防処置でケアをすることが可能です。しかしレベル2以降になると削って取ったりした方がいい場合が多いので、レベル2以上から虫歯治療を介入していくというのが当院の考え方です。レベル2はエナメル質を超えて象牙質という第二層の歯の組織に虫歯が進行している状態です。レベル3になると神経まで虫歯が届き強烈な痛みが襲います。そしてレベル4になると虫歯で歯がほとんどなくなってしまい抜歯しか治療法がないというような状態になってしまいます。
初期う蝕では、プラークコントロールを改善し、フッ化物を活用したり、食生活を見直したりすることで、むし歯の進行を抑えられる可能性があります。
唾液やフッ化物の働きによって、失われたミネラルが再び歯に取り込まれる「再石灰化」が期待できる場合もあります。
ただし、これは「放っておけば勝手に治る」という意味ではありません。
削らずに経過を見るのであれば、むしろ定期的なチェックが重要です。
「経過観察」は何もしないことではありません
患者さんに「このむし歯は経過観察しましょう」とお伝えすると、「じゃあ何もしなくていいんですね」と思われることがあります。
しかし、経過観察は放置とは全く違います。
なぜその場所にむし歯ができたのかを考え、歯磨きやフロスの方法、フッ化物の使用、間食の回数などを見直す必要があります。
そして定期検診で、
・穴が開いていないか
・大きさが変化していないか
・レントゲン上で進行していないか
・清掃状態が改善しているか
などを確認します。
進行していなければそのまま経過を見られることもありますし、進行が確認されれば治療へ切り替えることもあります。
どんなむし歯なら治療が必要?
一方で、すべてのむし歯を経過観察できるわけではありません。
すでに歯の表面が崩れて穴が開き、内部に汚れが入り込んで自分では清掃できない状態では、自然な再石灰化だけで元の形に戻ることは期待できません。
また、むし歯が象牙質へ進行している場合や、レントゲンで経時的な進行が確認できる場合などは、治療を検討します。
ただし、「象牙質に入ったら必ず即削る」と機械的に決めるわけではありません。
むし歯の場所、深さ、表面の状態、進行性、清掃のしやすさ、患者さん自身のむし歯リスクなどを総合して判断します。
痛くないむし歯なら削らなくてもいい?
これは注意が必要です。
痛みの有無だけでは、むし歯を削るかどうかは判断できません。
初期のむし歯はもちろん、ある程度進行したむし歯でも痛みがないことは珍しくありません。
「痛くないから小さいむし歯」とは限らないのです。
反対に、冷たいものがしみるからといって、必ず大きなむし歯とも限りません。知覚過敏など別の原因も考えられます。
そのため、見た目だけでなく、必要に応じてレントゲンなども利用しながら状態を確認することが重要です。
なぜ歯医者によって「削る・削らない」が違うの?
同じようなむし歯でも、歯科医師によって治療を勧めるタイミングが多少異なることがあります。
これは必ずしも、どちらかの歯科医師が間違っているということではありません。
むし歯には、「絶対に削らなくてよい」「絶対に今日削らなければならない」と簡単には分けられない境界領域があります。
特に初期のむし歯では、進行するリスクをどの程度と考えるかによって治療方針が変わることがあります。
僕たちが大切にしているのは、現在の状態と、削る場合・経過を見る場合それぞれのメリットやリスクを患者さんに説明することです。
最終的には患者さんと相談しながら方針を決めていきます。
一度削った歯は、再治療を繰り返す可能性があります
むし歯を削って詰め物をすれば、その時点では治療できます。
しかし、詰め物と天然歯の間には境目ができます。その周囲から再びむし歯になったり、詰め物が劣化したりすれば、やり直しが必要になることがあります。
再治療のたびにさらに歯質を失い、大きな詰め物、被せ物、根管治療へと治療範囲が広がっていくケースもあります。
だからといって、必要な治療まで先延ばしにするのもよくありません。
削る必要のない歯は削らない。治療が必要な歯は適切なタイミングで治療する。
このバランスが天然の歯を長く残すためには重要です。
まとめ|「むし歯=すぐ削る」ではありません
初期のむし歯で、まだ穴が開いておらず、進行をコントロールできると判断した場合には、削らずに経過観察できることがあります。
一方、穴が開いて清掃できない、むし歯が進行しているなどの場合には治療が必要になることがあります。
大切なのは、自己判断で放置するのではなく、現在のむし歯が「経過観察できる状態なのか」を歯科医院で確認することです。
博多歯科・矯正歯科では、できるだけ天然の歯を削らず、必要な治療を必要なタイミングで行うことを大切にしています。
博多駅エリアで2院体制|博多歯科 KITTE博多院もご利用いただけます
博多歯科・矯正歯科に加えて、博多駅直結の「博多歯科 KITTE博多院」でも、むし歯の診断や経過観察についてご相談いただけます。
両院とも平日21時まで、土日祝日も診療しており、複数の歯科医師による診療体制を整えています。
博多駅エリアの2院で連携し、治療だけでなく予防・メンテナンスまで含めて、できるだけ天然の歯を長く残す診療を目指しています。
院長
工藤 幸暉(くどう こうき)
経歴
- 九州大学 歯学部卒
- 2025年 デジタル矯正歯科学会認定医取得
- 2026年 日本歯周病学会認定医取得
資格・所属学会
- 九州大学病院歯周病科研修登録医
- 日本歯周病学会所属
- デジタル矯正学会所属
- 大阪SJCD所属
- G.F.Oベーシック修了
- 船越研修会ベーシック修了
- TMJ LIVE インストラクター
- スタディーグループMjARSボードメンバー