2026年3月31日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「神経の治療ってどこで受けても同じじゃないの?」
「材料によって治療の結果って変わるの?」
このような疑問を持つ方は少なくありません。
実は、根管治療の成功率は“使用する材料”によって大きく変わることがあります。
しかも日本の保険治療の根管治療は保険点数が低く、十分にカバーされていないことが多いです。
それゆえ、歯科医院によって治療精度が最も大きく出る分野の一つです。
中でも特に重要なのが【MTAセメント】です。
今回は、なぜ多くの歯科医院で使われていないのか、そしてなぜ当院では使用しているのかをわかりやすく解説します。
MTAセメントとは?
MTAセメントとは、根管治療で使用される特殊な歯科材料で、
- 強い封鎖性(細菌の侵入を防ぐ)
- 生体親和性が高い(体に優しい)
- 歯の再生を促す作用がある
といった特徴を持っています。
特に、
- 神経を保存したいとき(覆髄)
- 穴が空いた歯の修復(パーフォレーション)
- 根の先の治療(根尖封鎖)
など、“歯を残すかどうかの分かれ道”になる場面で使われる材料です。
なぜ普通の歯科医院では使われないのか?
理由はシンプルで、保険診療では赤字になりやすいからです。
MTAセメントは非常に優れた材料ですが、
- 材料費が高い
- 操作に時間と技術が必要
- 保険点数がそれに見合っていない
という現実があります。
そのため、
- 安価な材料で代替する
- 必須でない限り使わない
という選択をする医院も少なくありません。
これは決して悪いことではなく、制度上の制約によるものです。
「MTAを使っていない歯科医院が手抜きだ!」なんていうつもりは全くありません。
ラバーダムもそうですが、保険点数でカバーされていない以上、保険治療でMTAセメントやラバーダムを使うことはできません。そうしないと治療のたびに歯科医院が損をすることになってしまいます。
語弊を恐れず言えば、患者さんが保険治療を選択するとはそういうことです。
しかし、僕たちはなるべく自分が納得できる治療をしたいという気持ちで運営しています。
多少は赤字になっても、自分が納得できて、これなら安心して患者さんに使ってもらえるな、という治療をやりたいです。
要するに自己満ですが、責任感という表現に近いと思っています。
専門医がMTAを使う理由
一方で、根管治療の専門医はMTAセメントを“必須材料”として扱うことが多いです。
その理由は、
① 成功率に直結する
細菌の侵入を防ぐ力が非常に高く、再感染のリスクを下げることができます。
② 歯を残せる可能性が上がる
従来なら抜歯になっていたケースでも、保存できる可能性が広がります。
③ 長期的な予後が安定する
その場しのぎではなく、10年後・20年後を見据えた治療が可能になります。
専門医の先生は高い技術ゆえ、自由診療で根管治療を行い、僕たちより高い結果を出すことができます。(僕らが下手とかそういう話でもなくて、キャリアをどう歩んだかという問題です)
当院でMTAセメントを使用する理由
当院では、保険診療であっても必要なケースではMTAセメントを使用しています。
それは、
- 目の前の治療だけでなく
- 将来の歯の寿命まで考える
という方針だからです。
また当院では、
- ラバーダムを使用した精密治療
- マイクロスコープによる視野の確保
- 滅菌の徹底
といった環境を整え、材料の性能を最大限活かす治療を行っています。
MTAセメントのデメリット
もちろん、万能ではありません。
■ デメリット
- 材料費が高い
- 取り扱いに高度な技術が必要
- すべての症例に使えるわけではない
そのため、適応を見極めることが非常に重要です。
まとめ|見えない部分こそ差が出る
根管治療は外から見えないため、違いがわかりにくい分野です。
しかし実際には、
- 使用する材料
- 治療の精度
- 診療方針
によって、歯の寿命は大きく変わる可能性があります。
MTAセメントはその中でも、結果に直結する重要な要素の一つです。
「自分の場合はMTAを使った方がいいの?」と気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
あなたに合った最適な治療法を、歯科医師の視点で丁寧にご提案します。