2025年6月08日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
最近「保険で白い詰め物ができるって聞いたんですが、割れたりしませんか?」というご質問を多くいただきます。保険診療でも白い素材(コンポジットレジン)で見た目よく治療できる時代になっていますが、いくつか注意点もあります。今回はそのポイントをわかりやすく解説します。
白い詰め物=コンポジットレジンとは?
保険で使える白い詰め物は「コンポジットレジン」というプラスチック製の材料です。
正確にはハイブリッドレジンといい、半分セラミックが入っています。
ネイルでも似た素材が使われていますが、光で固まる樹脂で、虫歯の部分を削った後に直接お口の中で詰めて固めます。色調が歯に近く、比較的短時間で治療が終わるため、患者さんに人気の素材です。
割れやすいって本当?
結論から言うと、「使用条件によっては割れやすく、すり減りやすい」です。
ネイルみたいな素材と考えるとイマージしやすいですよね!
主な理由:
- 強度がセラミックなどに比べて低い
特に奥歯のように噛む力が強くかかる場所では、欠けたり擦り減ったりしやすい傾向があります。 - 詰める範囲が広いとリスクが増す
一部ではなく、歯の全体にまたがるような大きな虫歯の場合、レジンの耐久性が足りないことがあります。 - 経年劣化が起きる
時間の経過とともに変色したり、段差ができて二次う蝕(むし歯の再発)のリスクも上がります。
どんなときにおすすめ?避けるべき?
おすすめのケース:
- 小さな虫歯(初期のC1〜C2程度)
- 前歯や小臼歯など力のかかりにくい部位
- 応急的な処置としての短期使用
注意が必要なケース:
- 奥歯の大きな虫歯
- 歯ぎしり・食いしばりの癖がある方
- 長期間しっかりと噛める修復を求める方
このような場合は、耐久性に優れるセラミックインレーやCAD/CAM冠(保険・自費どちらもあり)をご提案することがあります。
当院での工夫とサポート
博多歯科・矯正歯科では、保険内の治療でもできるだけ長持ちするよう、以下の点にこだわっています。
- 精密なう蝕除去と接着処理
- 拡大鏡やマイクロスコープによる精密操作
- 患者さまごとの噛み合わせチェックと調整
保険治療であっても、品質を落とさないための努力を続けています。
まとめ:素材の特性を理解して選びましょう
白いレジンは「見た目が良く、費用が抑えられる」メリットがありますが、割れやすさや変色のリスクもあります。目的や部位によって最適な素材を選ぶことが、長持ちする治療への第一歩です。ご不安な方は、ぜひご相談ください。
参考文献
- Ueda M. et al., “Clinical longevity of direct composite restorations in posterior teeth: A systematic review and meta-analysis”, J Dent Res, 2019.
- 山崎長郎 他「最新接着歯学」医歯薬出版, 2020年.
- Consensus(https://consensus.app)での専門家コメント・論文レビューを参考に作成。