2025年6月17日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
近年、歯科医療の現場でもデジタル技術の進化が目覚ましく、治療の正確性やスピード、そして患者さまの満足度に大きな影響を与えています。今回は「デジタルデンティストリー」と呼ばれるこの新しい歯科治療の形について、わかりやすくご紹介します。
デジタルデンティストリーとは?
デジタルデンティストリーとは、従来のアナログ的な歯科治療を、デジタル技術を活用してより効率的・精密に行う医療手法のことです。代表的なものとしては以下のような技術が挙げられます:
- 口腔内スキャナー(IOS):型取り不要で高精度のデータ取得が可能
- CAD/CAMシステム:セラミックの詰め物や被せ物を即日で作成
- デジタルX線・CT:3Dで骨や歯の状態を詳細に把握
- 3Dプリンター:インプラントガイドや模型を短時間で出力
これらの技術により、診査・診断から治療、補綴物の製作までの全てがデジタルで完結するようになってきています。
例えば、マウスピース矯正ではこの技術を応用していて、口腔内スキャナーで歯や歯茎をスキャンして、CT重ね合わせ、マウスピースを3Dプリンターで作ります。
また、被せ物も最近ではCAD/CAMシステムで作ることがほとんどです。
患者さまにとってのメリット
デジタル化によって、患者さまには以下のようなメリットがあります:
- 型取りの不快感が軽減:口腔内スキャナーで簡単・快適に
- 治療期間の短縮:CAD/CAMによる即日補綴も可能
- 高い精度とフィット感:従来に比べて補綴物の適合性が向上
- 治療の見える化:CT画像やスキャンデータを使って治療の流れを共有
これまで「歯医者は苦手…」という方も、より安心して治療を受けていただける環境が整いつつあります。
そして、治療結果の予測が難しい歯科の治療も少しずつ客観的な予測が可能になってきています。
歯科医師側にも革新をもたらす
デジタル技術は、医師にとっても大きな恩恵をもたらします。
- 再現性と効率性の向上:データ管理が容易で、診断の精度も安定
- チーム医療の連携強化:技工所とのデータ共有がスムーズに
- 将来のAI診断・遠隔診療の基盤:ビッグデータとして活用可能
特にインプラント治療では、術前にスキャンとCTを組み合わせた「ガイデッドサージェリー」により、より安全で予知性の高い施術が可能になっています。
今後の展望と課題
今後、AI技術やロボティクスとの融合が進むことで、さらに「精密で、安全で、患者負担の少ない」歯科医療が実現していくと期待されています。
一方で、導入コストやスタッフ教育の課題もあり、すべての医院がすぐに完全移行できるわけではありません。しかし、技術革新を取り入れることで、地域に根ざした質の高い医療提供が可能になります。
特に、デジタルの機器は高額で、便利な反面、どこの歯科医院にもある設備ではないです。
当院のような大きいの法人のスケールメリットといえます。
まとめ
デジタルデンティストリーは、これからの歯科治療にとって欠かせない存在となるでしょう。当院では、最新の口腔内スキャナーやCTを活用し、患者さま一人ひとりに合った快適で正確な治療を心がけています。
気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献
- Mangano F, Gandolfi A, Luongo G, Logozzo S. Intraoral scanners in dentistry: a review of the current literature. BMC Oral Health. 2017;17(1):149.
- Güth JF, Edelhoff D, Schweiger J, Keul C. CAD/CAM in dentistry: a historical overview and current applications. J Prosthet Dent. 2014 Jun;112(3):e1-8.
- Joda T, Gallucci GO. The virtual patient in dental medicine. Clin Oral Implants Res. 2015;26(6):725-726.