2025年6月27日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「昔、神経を取ったはずの歯が最近ズキズキ痛む」「噛むと違和感がある」「歯ぐきが腫れてきた」――そんな症状はありませんか?これは、根の中の再感染や過去の治療のやり直しが必要なサインかもしれません。特に40〜60代の方から、こうしたご相談やレントゲンを撮ると以前神経治療をした歯の再感染が起きていることがわかる場合があります。
この記事では、神経を取った歯に起こる再感染の原因、見逃してはいけない症状、そして現代の再治療法について詳しくご紹介します。
神経を取った歯が痛む原因とは?
一度神経を取った歯(=根管治療をした歯)は、痛みの原因となる神経が除去されているはずですが、それでも痛みや腫れが起こることがあります。主な原因は以下の通りです:
- 根管の中に細菌が再び侵入した(再感染)
- 過去の根管治療が不完全だった
- 歯根のヒビや割れ
- 被せ物と歯の隙間からの細菌侵入
再感染が起こると、骨の中に膿の袋(根尖病巣)ができてきます。
ちなみに「なぜ神経をとってるのに痛いのですか?」とよく聞かれますが、これは膿の袋が骨の中にできているので、歯の神経ではなくて骨の神経が痛んでいるからです。
見逃さないで!再治療が必要なサイン
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- 歯ぐきの腫れや膿の出口(フィステル)
- 噛んだときの違和感や軽い痛み
- 時々ズキズキとした痛みがある
- レントゲンで黒い影が確認された
放置すると、周囲の骨が溶けてしまい、歯の保存が難しくなるケースもあります。
選べる3つの再治療法
① 再根管治療(再治療)
既存の詰め物や被せ物を除去し、根の中を再度消毒・密封する方法です。最新のマイクロスコープやニッケルチタンファイルを使えば、従来よりも精度の高い治療が可能になっています。
また当院では、根管治療の専門医「牛島歯科医院 エンドオフィス」の牛島先生へご紹介も可能です。
もちろん当院で再度根管治療も可能ですし、当院では保険治療でもラバーダムやマイクロスコープ、ニッケルチタンファイルを使用しておりますので、一般的な手技よりも精度高く治療を行なっております。しかし、専門医の先生方はさらに高性能の機材や機器、道具を使用しますし、何より根管治療に歯科人生をかけていますから当然私たちよりも腕があります。
② 歯根端切除術
根の先に感染があるが、根管からのアプローチが困難な場合に、外科的に根の先を切除して膿を取り除く治療です。
③ 抜歯+インプラントまたはブリッジ
歯のヒビや大きな病巣で再治療が難しい場合は、抜歯を検討することもあります。その後はインプラントやセラミックブリッジなどで機能と見た目を回復できます。
再治療は「精密性」がカギ。セラミックやインプラントも視野に
再治療を成功させるには、精密な診断と高度な技術が必要です。また、治療後の歯を長持ちさせるには、セラミックのような精密な被せ物や、抜歯後のインプラントといった選択肢も考慮することで、再発リスクを減らせます。
まとめ|「治療のやり直し」も全力でサポートします!
40代〜60代は、過去に受けた治療の“限界”が見えてくる時期です。当院では、再治療を通して「もう一度、自分の歯でしっかり噛める」未来の実現をサポートします。
再感染かな?と思ったら、放置せずにご相談ください。
一緒に最適解を見つけられたらと思います。
参考文献:
- Spili, P., Parashos, P., & Messer, H. H. (2005). The impact of instrument fracture on outcome of endodontic treatment. J Endod, 31(12), 845–850.
- Kakehashi, S., Stanley, H. R., & Fitzgerald, R. J. (1965). The effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory rats. Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, 20(3), 340–349.
- Consensusに基づく再根管治療の成功率に関する文献(2024年)。