2025年12月05日
こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
「金歯って古いイメージ…」
「なんだか見た目がイヤ…」
と思われる方も多いですが、実は 歯科治療としては非常に優秀な素材 です。
僕は1度だけ虫歯治療をしたことがあるのですが、実は金歯を入れました。
欧米では「奥歯はゴールドが最も長持ちする」という考え方が主流で、
セラミックよりも適しているケースもあります。
今日は、金歯(ゴールド冠・インレー)の
メリットとデメリット を分かりやすく解説します。
▶ 金歯(ゴールド)のメリット
✔ ① 歯との馴染みがトップクラスに良い
金合金は硬すぎず柔らかすぎず、
歯と同じくらいの硬さ を持つため、
噛んだときに周囲の歯を傷つけません。
また、歯の微細な動きにもフィットしやすく、
適合性(ぴったりハマる精度)が非常に高い のが特徴です。
結果として…
- 隙間ができにくい
- 二次むし歯が起こりにくい
- 長持ちしやすい
というメリットがあります。
銀歯は熱変形をするので、隙間ができてそこに細菌が入りむし歯になりやすくなるという話をブログでは何度かしたと思います。
「金歯も金属だからそうなんじゃないの?」
と思うと思いますが、実は金歯は別格で、歯と同じ熱膨張係数を持ちます。歯ももちろん熱膨張(熱収縮)をするわけですが、その度合いが金歯の場合は同じなのです。つまり、歯と同じ挙動をするんです。
✔ ② とにかく“長持ち”する
正しく装着された金歯は 10〜20年以上 持つケースが珍しくありません。
- 割れにくい
- 摩耗しにくい
- 劣化しにくい
ため、
「とにかく長持ちさせたい」
という方には非常に優秀な選択肢です。
セラミックの唯一の欠点は、脆いということ。「硬い」と「脆い」は似ていますが全く違う概念です。セラミックとは、日常のものでいうと、陶器のお皿なので、硬いですが割れやすいのです。
金歯ではその性質がありません。しなやかさと適度な硬さがあります。
✔ ③ 体に優しい(金属アレルギーが起こりにくい)
歯科用の金合金は、
- 生体親和性が高い
- アレルギーがほぼ起こらない
- 腐食しない
という特徴があります。
保険の銀歯(金銀パラジウム合金)では
アレルギーの問題が指摘されていますが、
金歯ではそのリスクが極めて低い ため安心です。
✔ ④ 噛み合わせに馴染みやすい
噛み合わせの力が強い方でも、
金は適度にしなり、力を分散してくれます。
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 噛み合わせトラブル
がある方にも相性が良い素材です。
✔ ⑤ 奥歯なら見えにくい
「見た目」が気になる方が多いですが、
奥歯の上部(咬合面)は
実は笑ったときほとんど見えません。
- 機能性
- 耐久性
- 体への優しさ
を優先したい方にはベストな選択肢です。
▶ 金歯(ゴールド)のデメリット
❌ ① 見た目は“金色”
最大のデメリットは誰が見ても分かる金色であること。
これが最大のデメリットです。
ただし、
奥歯ならほぼ見えないため気にしない方も多いです。
❌ ② 保険が効かず費用が高い
金は貴金属のため、材料費が高くなります。
金属価格の変動によって費用も変わることがあります。
とにかく今は金が高いです。コスパの悪さもデメリットでしょう。
個人的には、セラミックで90点が取れるとすると、金歯は95点が取れるイメージです。
5点のために更にコストをかけるかどうかは患者さん次第でしょう。
とはいえ、
「長持ちする」
「再治療になりにくい」
という点を考えると、長期的にはコスパが良い素材です。
❌ ③ 金属アレルギーは非常に少ないが“ゼロではない”
金合金は安全性が高いものの、
まれに金属アレルギーが起こる可能性はあります。
不安な方にはセラミックやジルコニアという選択肢もあります。
▶ まとめ:機能性を優先するなら金歯は“最適解”のひとつ
金歯の特徴をまとめると…
◎ メリット
- 適合性が高く、むし歯になりにくい
- 長持ちする(10〜20年以上も珍しくない)
- 割れにくく強度が安定
- 生体親和性が高くアレルギーが少ない
- 噛み合わせに優しい
△ デメリット
- 見た目が金色
- 保険適応外で費用がかかる
- ごくまれにアレルギーの可能性
セラミックが「見た目の1位」なら、
金歯は “機能性と長持ちの1位” と言える素材です。
▶ 当院の金歯(ゴールド治療)
博多歯科・矯正歯科では、
- 技工士との連携による精密な適合
- 噛み合わせ分析
- 金合金の種類(白金加金など)の提案
- セラミック・銀歯との比較説明
を行い、
あなたの歯にとって最適な素材を選べるようサポートしています。
「見た目よりも長持ちを優先したい」
「奥歯だけは丈夫な素材にしたい」
という方は、金歯もぜひ選択肢に入れてください。