2025年12月15日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
日本人の約8割が程度の差はあれど歯周病にかかっていると言われています。
しかし、患者さんからは
「歯周病の治療って何をするの?」
「保険治療だとどこまでできるの?」
と質問を多くいただきます。
今回は、
“保険で行う歯周病治療の実際の流れ”
を、できるだけわかりやすく解説します。
歯周病は保険治療でも非常に恵まれた分野ですので必要な際はしっかり利用しましょう。
▶ 歯周病治療は“流れ”が決まっています(保険ルール)
歯周病治療は、保険制度で
治療の順番・検査のタイミング・処置内容 が明確に定められています。
流れに沿って行うことで、
治療の効果を確実に評価でき、
再発防止にもつながります。
では、順番に説明していきます。
◆ 【STEP1】初診・問診・レントゲン検査
最初に行うのは、
- レントゲンで骨の状態をチェック
- 歯周病の進行度を確認
- 痛みや腫れの有無の問診
- 生活習慣のヒアリング(喫煙・糖尿病など)
歯周病は歯茎の病気とされがちですが、症状が表在化するのが歯茎なだけで「骨の病気」なので
レントゲンでの診断が非常に大切です。
◆ 【STEP2】歯周基本検査(保険必須)
歯周病の進行度を数値化するために
歯周ポケット検査 を行います。
チェックする項目は:
- 歯周ポケットの深さ
- 出血の有無
- 動揺度(ぐらつき)
- プラーク・歯石の付着状態
これらを全ての歯で測定します。
※しっかり丁寧に検査するために初診とは別日に行うことも多いです。
◆ 【STEP3】スケーリング(歯石取り:保険適用)
歯周病の原因である歯石を除去します。
当院ではしっかり時間を取りますので、上下まとめて行うことが多いですが、あまりにも歯石が多い場合は分ける場合もあります。
スケーリングでは
歯ぐきより“上”の歯石(縁上歯石)を中心に除去します。
◆ 【STEP4】ブラッシング指導(TBI)
歯周病治療は 家庭でのケアが結果の8割 と言われています。
そのため、
- 歯ブラシの当て方
- フロスや歯間ブラシのサイズ選び
- 磨き残しのチェック
などを丁寧に行います。
保険では「TBI(歯磨き指導)」として算定される重要なステップです。
◆ 【STEP5】2回目の歯周検査(再評価①)
スケーリングが終わったら
約1-2週間後 にもう一度歯周ポケットを測ります。
このタイミングで、
- 改善した部位
- 改善していない部位
- 歯ぐきの炎症の状態
をチェックします。
ここが歯周病治療の大きな分岐点です。
◆ 【STEP6】SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
2回目の歯周病検査で歯周病の進行や歯茎の深い部分の歯石が見つかった場合はSRP(スケーリングルートプレーニング)を行います。
→ 深い歯周ポケットの清掃(保険適用)
SRPとは…
- 歯ぐきの“中”の歯石(縁下歯石)
- 根の表面にこびりついた細菌
を徹底的に除去する処置です。 - 再評価で4mm以上のポケットが残っている部位がある場合、
より専門的な清掃である SRP を行います。
通常、
4〜6ブロックに分けて処置(4回程度)
します。
保険では「歯周基本治療」の一環として認められている重要なステップです。
◆ 【STEP7】再評価②(SRP後の改善チェック)
SRPが終わったら
再び約2-3週間後に検査を行います。
ここで
- ポケットが改善していれば → メンテナンスへ移行
- 改善しない部位があれば → 歯周外科治療(必要な場合)
という次の段階に進みます。
◆ 【STEP8】必要な場合:歯周外科治療(保険適用あり)
深い歯周ポケット(5〜6mm以上)が改善しない場合、フラップ手術と呼ばれる
歯ぐきを開いて行う外科的処置が必要になることがあります。
この辺りは患者さんの全身状態や希望を伺い、一緒に相談して決めていきます。
外科を行うことで歯石の取り残しをなくし、再発を防止します。
◆ 【STEP9】メンテナンス(3〜4ヶ月ごと)
治療後は、
3〜4ヶ月に1回のメンテナンスが必須です。
内容:
- ポケット再検査
- 歯石取り
- バイオフィルム除去(PMTC)
- 生活習慣の確認
歯周病は“治す”というより
進行を止める病気です。
継続的なメンテナンスがもっとも重要です。
▶ 当院の特徴:保険でも“質の高い歯周病治療”を徹底
博多歯科・矯正歯科では、
- 拡大鏡を用いた精密な歯石除去
- 状態に合わせた歯間ブラシの選定
- 歯周病を悪化させる生活習慣の改善
- 糖尿病・喫煙・口呼吸の評価
- 必要に応じて口腔外科・内科とも連携
を行い、保険であっても最大限効果の出る歯周病治療を提供しています。
▶ まとめ:歯周病治療は「検査 → 清掃 → 再評価」の流れが重要
- 見た目だけのクリーニングでは治らない
- 歯周病治療は保険で体系化されている
- 再評価が最も大事
- 改善したらメンテナンスへ
- 重度は外科治療で改善できる
歯周病は放置すると歯を失う最大の原因です。
早期に治療をスタートし、継続的なケアを行うことで歯を守ることができます。