【ジルコニアとe.maxの違い】素材から用途まで歯科医師が解説｜福岡・博多｜博多駅博多口の歯科・歯医者｜博多歯科・矯正歯科

2025年10月20日

こんにちは！博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です。
「セラミック治療を検討していますが、ジルコニアとe.max、どちらを選べばいいのでしょうか？」というご質問を多く頂きます。当院でもセアラミックとジルコニアは両方選択可能で、患者さんと一緒に決めております。

今回はこの2つの人気素材の違いと、どのような場面でどちらを使うかを、歯科医師の立場から丁寧にご説明します。

どちらも化学的にはセラミックなのですが、もともとジルコニアは歯科材料として主流でなかったので、従来から使っていたemaxに代表されるガラス系のセラミックをセラミックと呼んでいます。

e.max（リチウムディシリケートガラスセラミック）
　これはガラスセラミック系の素材で、透過性（透明感）に優れ、自然な歯の色・光沢を再現しやすいのが特徴です。
ジルコニア（ジルコニア・ジルコニウム酸化物：ZrO₂）
　非常に強度が高く、支台・被せ物材料として耐久性が求められる場面で用いられます。金属を使わないオールセラミックとして、近年主流の一つです。

e.maxは透過性が高く、光が歯の中で散るような「天然歯らしさ」が出やすい素材です。特に前歯・笑った時に見える歯など、審美性重視の部位に適しています。
ジルコニアはもともと強度重視で開発されたため、透過性・透明感はe.maxに比べてやや劣ることがあります。そのため、奥歯や噛む力が強い場所、土台の色が濃い場合などに適用されることが多いです。

この時に考えるのは、土台となる歯の色です、金属の土台などが入っていると透明感のあるemax場合、その色が透けてしまいます。

前歯・目立つ部位で色・透明感を重視するなら → e.maxが「第一選択」になりやすいです。
奥歯・噛む力が強い方・土台が暗い歯などの場合 → ジルコニアがより適している場合があります。
　例えば、e.maxでは強度的にリスクがあるとされるブリッジや大きなかぶせ物にはジルコニアが推奨されることがあります。

ちなみに。インプラントの被せ物はジルコニアです。

e.maxは透過性を担保するために、ある程度の厚み（削る量）が必要となる場合があります。設計・製作がやや高度です。
ジルコニアは最新の設計で「薄くても強い」タイプも登場しており、削る量を抑えられるケースも出てきていますが、素材の特性上、切削・調整に高精度を要するため、技術力が問われます。

どちらも「金属を使用しないセラミック素材」なので、金属アレルギーの心配が少ないというメリットがあります。しかし、素材・製作精度・装着環境によっては差異が出るため、歯科医院での説明・確認が重要です。

価格は素材・製作方法・技工所・治療部位・医院ごとの設定によって変わりますが、一般的な傾向として、

当院では、

患者さんの「見た目重視」「噛む力」「予算」「歯の土台の状態」を総合的に診断し、ジルコニア／e.maxどちらが最適かをご説明しています。
前歯のセラミック治療をお考えの際には「色・透明感」「歯ぐきとの調和」を重視してe.maxを採用することが多く、奥歯や大きな被せ物では「強度・安定性」を重視してジルコニアを選ぶケースも多くなります。
もちろん、どちらも素材・製作精度・設計次第で良好な長期経過が可能ですが、「適材適所」の考え方を大切にしています。

Dolidze T, Bitarova I. “Advantages and Disadvantages of E-MAX and Zirconia Crowns.” European Scientific Journal, Special edition, 2016. eujournal.org
“eMax vs. Zirconia: What’s the difference?” Dandy Learning Center. Dandy
“How to Choose Between Zirconia Crowns and IPS e.max Crowns.” Glidewell. glidewelldental.com

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