2025年12月04日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
最近患者さんからとても多い質問があります。
「保険の白い詰め物(レジン)をお願いしたのに、前の歯医者で断られました。なんでですか?」
実はこれ、
歯医者が意地悪だからでも、“やりたくない”からでもありません。
医学的に無理がある場合があるから なのです。
当院では、よく患者さんに説明した上で
今回は、その理由をわかりやすく説明します。
▶ 理由①:虫歯が大きいと、レジンではすぐ壊れるから
保険の白い詰め物(コンポジットレジン)は
小さな虫歯には非常に優秀ですが、
大きい虫歯には耐えられません。
レジンは柔らかい素材なので、
- 割れる
- 欠ける
- 劣化する
- 変形して隙間ができ、二次むし歯になる
といったトラブルが起こりやすくなります。
タッパーをイメージしてください。レンジで温めると変形しますよね。同じことがレジンでもおきます。もちろんタッパーみたいに大きく変形はしませんが、ミクロに変形し、その変形した隙間から細菌が入りこみ中で虫歯になることも多々あります。
歯医者が断るのは、
「やっても長持ちせず、あなたが困る結果になるから」
という理由が一番多いのです。
▶ 理由②:奥歯は噛む力が強く、レジンが耐えられないことがある
特に奥歯は、噛む力が非常に強い部分。
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 噛み合わせ不良
があると、レジンが破損するリスクが高くなります。
そのため歯医者は
壊れるとわかっている治療は避けることがあります。
保険の範囲だと、噛む力に十分耐えうる素材は金属一択となります。ただし、前述の変形の問題は金属でも起きますので、虫歯になりやすいですし、見た目も銀色になります。自費治療も視野に入れるとジルコニアという硬いセラミックが強度があります。
▶ 理由③:保険制度が決めている“適応範囲”がある
保険診療では、
レジンを使っていいケースと使ってはいけないケースが
はっきり決まっています。
例えば、
- 大きな欠損をレジンだけで作り直す
- 噛み合わせを大きく変える
- 高さや形を大幅に修正する
こういった処置は
“保険適応外” になります。
歯医者が断るのは、
「保険ではルール上できない処置だから」
という理由もあります。
▶ 理由④:レジンは扱いが難しく、成功率に差が出やすいため
実はコンポジットレジンは、
見た目と違って“非常に繊細な材料”です。
- 湿気に弱い
- 唾液が入ると接着が不完全になる
- 手技が細かい
- 研磨が難しい
などの理由から、
医院によっては「レジン治療に対応していない」場合もあります。
これは、
医院の技術レベルが低いという意味ではなく、
その医院は“より確実な方法”を優先しているだけ です。
▶ 理由⑤:長い目で見てセラミックの方が良いと判断されることがある
歯医者は「1〜2年持てばOK」ではありません。
できるだけ長く、
“再治療の少ない治療” を選びたいのです。
レジンよりも
- 強度が高い
- 摩耗しない
- 変色が少ない
- むし歯の再発リスクが低い
という理由で、
セラミックやインレーをすすめる場合もあります。
正直、僕も家族や友人にはセラミックを勧めますし、自分でもセラミックを入れます。(僕は金歯を選択しましたがこの話はまた別の機会に!笑)
銀歯やレジンで治療して、後々トラブルが起きるのを日々見ているからです。
▶ 当院のスタンス:保険でできる治療は積極的に行います。ただし…
博多歯科・矯正歯科では、
✔ 小さな虫歯
✔ レジン適応の部位
✔ 劣化の少ないケース
では、積極的に保険の白い詰め物を行っています。
しかし…
- 大きな虫歯
- 奥歯で力が強くかかる
- レジンが長持ちしないと判断される
- 再発リスクが高い
といった場合は、
無理にレジンをおすすめしません。
その理由はただひとつ。
▶ 歯を長く残したいから。
無理な治療は
あとから再治療を繰り返し、
結果として 歯の寿命が短くなります。
だからこそ当院では、
患者さんの歯を守るために
「できること」「できないこと」 を明確にお伝えします。
▶ まとめ:断られるのは「あなたの歯を守るため」
保険の白い詰め物ができない理由は…
- 虫歯が大きくて壊れやすい
- 噛む力に耐えられない
- 保険制度で禁止されている
- 手技的に難しく適応が限られる
- 長期的な予後を考えると不利
決して
「やりたくない」からではありません。
むしろ歯医師は
“あなたの歯を長持ちさせたいからこそ、適切な治療を選んでいる”
ということなのです。
とはいえ、最後に選ぶのは患者さんと思っています。無理に歯科医師の考えを押し付けず、柔軟に対応いたします。
「自分の歯はレジンができるの?」
「セラミックと何が違うの?」
など疑問があれば、いつでも当院にご相談ください。
あなたの歯の状態に合った 最適な選択肢 を丁寧にご説明いたします。