2025年12月16日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
糖尿病の患者さんからよくいただく質問があります。
「糖尿病だと歯周病になりやすいって本当?」
「血糖値と歯ぐきって関係あるんですか?」
答えは YES。
しかもこの2つの病気は
お互いに悪影響を与え合う“相互関係” にあります。
つまり、歯周病が良くなれば糖尿病も改善しやすくなり、また逆に糖尿病が改善すると歯周病も改善しやすくなるという強い相関関係があるのです。
今回は、糖尿病と歯周病がなぜ密接に関係しているのか、
医療的根拠にもとづいてわかりやすく解説します。
▶ 理由①:血糖値が高いと免疫が働きにくく、歯周病が悪化しやすい
糖尿病で高血糖状態が続くと、
- 白血球の働きが弱くなる
- 炎症が治りにくい
- 細菌に対抗できない
という状態になり、
歯周病菌に対する抵抗力が大きく低下します。
その結果:
- 歯ぐきが腫れやすい
- 炎症が長引く
- 出血しやすい
- 歯周ポケットが深くなる
糖尿病の方は、
同じプラーク量でも歯周病が重症化しやすい のが特徴です。
そもそも糖尿病は全ての生活習慣病の始まりとされます。過剰な糖質の摂取に対して私たちの体は対応できるようにはできていません。
▶ 理由②:血管がもろくなり、歯ぐきの修復力が低下する
高血糖は血管を傷つけるため、
- 歯ぐきへの血流が悪くなる
- 酸素や栄養が十分届かない
- 傷が治りにくい
という状態が起こります。
結果として歯周病の治療をしても、
治りにくい → 再発しやすい → 進行しやすい
という悪循環になります。
▶ 理由③:歯周病があると血糖値が上がりやすくなる(相互悪化)
実は逆も成立します。
歯周病が糖尿病を悪化させる ことが医学的に証明されています。
理由は、歯周病によって
- 全身に炎症物質(サイトカイン)が放出され
- インスリンの働きを邪魔し
- 血糖値が上がりやすくなる
からです。
つまり、
◆ 糖尿病がある → 歯周病が悪化
◆ 歯周病がある → 糖尿病の血糖値が上がる
この“お互いを悪化させる関係”が非常に問題なのです。
ここに強い相関感性があるわけですね。
▶ 歯周病治療をすると、血糖値が改善するというデータ
驚くかもしれませんが、
◆ 歯周病治療(SRPなど)をすると、HbA1cが平均0.4%下がる
という研究結果があります。
糖尿病治療において
HbA1cの0.4%改善は非常に大きな意味があります。
▶ 糖尿病の人に必須の歯周病対策
✔ ① 3ヶ月ごとの歯科メンテナンス
歯垢・歯石が溜まる前にクリーニングすることが重要。
✔ ② 歯磨きは“量より質”
歯ブラシ+フロス+歯間ブラシが必須。
✔ ③ 口呼吸の改善
歯ぐきの乾燥は炎症を悪化させます。
✔ ④ ナイトガードの併用(食いしばりがある場合)
噛む力は歯周病を急激に進行させます。
✔ ⑤ 内科との連携
血糖値が高いままだと治りません。
当院では、患者さんの状態に応じて
糖尿病のかかりつけ医とも連携しながら治療を進めます。
基本的にはみなさんのかかりつけの内科と連携いたします。もしかかりつけがない方でおすすめの内科さんをお知りになりたければご紹介も可能です。
▶ 当院の特徴:糖尿病と歯周病を総合的に評価
博多歯科・矯正歯科では、
- 歯周病の詳細検査
- SRP(深い歯石除去)
- 家庭でのケア指導
- 内科との協力
- 噛み合わせ評価
- 拡大鏡を使った精密治療
などを行い、糖尿病の方でも最大限改善できる体制を整えています。
▶ まとめ:糖尿病と歯周病は“互いに悪化させる”関係
- 糖尿病 → 歯周病が進行しやすい
- 歯周病 → 血糖値が上がりやすい
つまり、この2つの病気は一緒に治療することhが効果的です。
血糖値が安定しない、歯ぐきの腫れが治らないなど
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。