2025年5月20日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
矯正治療中は歯並びが整っていく一方で、虫歯のリスクが高まる時期でもあります。特にブラケットやワイヤーなどの装置がついていると、歯磨きがしにくくなり、プラークがたまりやすくなるため注意が必要です。今回は「矯正中に虫歯ができたらどうするのか?」「白い詰め物で治療はできるのか?」という疑問にお答えしていきます。
矯正中に虫歯ができたらどうなる?
矯正中に虫歯ができた場合、基本的にはすぐに治療を行うことが推奨されます。放置すると虫歯が進行して、矯正治療そのものの計画にも影響が出てしまう可能性があるからです。
装置の種類によっては、一時的に装置を外して治療する場合もあります。例えばワイヤー矯正では、ワイヤーを外して虫歯の治療を行い、その後すぐに再装着することが可能です。マウスピース矯正の場合は、比較的治療スペースへのアクセスもしやすく、治療の自由度は高いと言えるでしょう。
また、むし歯の本数が多かったり、大きなむし歯のため治療後に被せ物が必要な場合は、矯正の当初の治療計画が狂ってしまったり、マウスピース矯正の場合はマウスピースが入らなくなるので作り直しが必要となります。
白い詰め物で治療できる?
結論から言うと、矯正中でも白い詰め物(コンポジットレジン)で虫歯治療は可能です。
このコンポジットレジンは、歯の色に近いため見た目が自然で、金属を使わないため金属アレルギーの心配もありません。また治療も1回で終わるケースが多く、忙しい方や矯正中の方にも適しています。
一方、虫歯の進行が大きく神経近くまで達している場合は、保険適用外のセラミックや根管治療が必要になる場合もあるため、早期発見が大切です。
ホワイトスポットとは?
矯正中によく見られる白い斑点「ホワイトスポット」は、虫歯の初期段階であることが多く、エナメル質の脱灰によって起こります。特にブラケット周囲にプラークが蓄積することで発生しやすくなります。
このホワイトスポットは自然に消えることは少なく、進行すると本格的な虫歯になる可能性もあります。
予防のポイント
矯正中の虫歯やホワイトスポットを防ぐには、以下のケアが有効です:
- フッ素塗布:再石灰化を促し、エナメル質を強化
- 歯科衛生士による定期クリーニング:装置周囲の徹底的な清掃
- オゾン療法や抗菌性洗口液の併用も近年効果が報告されています(Grocholewiczら, 2022)
まとめ
矯正治療中の虫歯も、早期発見と適切な処置によって、治療を継続しながら十分に対応が可能です。白い詰め物を使用した目立たない治療も可能なため、見た目が気になる方にも安心です。歯磨き指導や予防処置をしっかり受けながら、美しい歯並びと健康な歯を同時に目指していきましょう!
参考文献
- Grocholewicz K, et al. (2022). Fluoride varnish, ozone and octenidine reduce the incidence of white spot lesions and caries during orthodontic treatment: randomized controlled trial. Scientific Reports, 12, 13985.
https://www.nature.com/articles/s41598-022-18107-w - Heymann GC, Grauer D. (2013). A contemporary review of white spot lesions in orthodontics. J Esthet Restor Dent, 25(2): 85–95.
- NewPark Orthodontics. How Tooth Decay and Fillings Affect Braces Treatment.
https://newparkortho.com/tooth-decay-and-fillings-affect-your-braces-treatment/