2025年7月16日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「歯医者の自費治療って本当に必要なの?」という声はよく聞きます。
数年前、国民皆歯科検診の法案の話が出た時に、Amebaでディスカッションする番組がありました。
そこでセラミックの話になった時に、ひろゆきさんが「銀歯でも寿命が縮まないなら銀歯でもいいんじゃないの?」というお話がありました。
確かに保険治療と比べると費用は高くなりますが、単なる“贅沢は治療”ではありません。今回は【保険と自費の違い 歯科】という視点で、自費治療の“長期的なメリット”についてお話しします。
保険治療と自費治療の基本的な違い
日本の保険制度は、最低限の機能回復を目的としています。むし歯治療で例えると「痛くなく噛める状態」がゴールです。しかし、
- 材料はレジン(プラスチック)や銀歯が中心
- 機能優先のため審美面は重視されない
- 時間や使用できる材料が制限される
という特徴があります。
一方、自費治療は「より高い機能性と審美性と長期予後」を追求する治療です。例えば、
- セラミックやジルコニアなど長期安定性の高い材料
- 目立たない・自然な見た目
- 精密な治療工程(マイクロスコープや拡大鏡の使用)
などが可能になります。 - エビデンス的に長持ちする材料
自費治療の長期的メリット
一番のメリットは「再治療リスクの低減」です。国内外の研究でも、自費治療で使用するセラミックやジルコニアは耐久性に優れ、二次むし歯や脱離のリスクが低いことが報告されています【参考文献1】。特に40代以降の方では、一度しっかり治療することで再治療の回数が減り、結果的に「時間・費用・歯への負担」が軽減されます。
また審美性も大きな利点です。銀歯は時間とともに歯ぐきが黒ずむこともありますが、セラミック治療は自然な白さを保ち、見た目のコンプレックス解消にも繋がります。
本来、「歯を治す」に1番近いのは、新しい歯の再生です。
しかし、今の技術ではそれは不可能なので、より歯の再生に近い人工物で治療するのがいいわけです。
プラスチックや金属は生体とはかけ離れた材料なので当然問題が起きやすいです。
高い治療は本当に高いのか?
初期費用は確かに高いかもしれません。しかし、保険治療は5年〜7年でやり直しになるケースも多く、そのたびに歯は削られ、最終的には抜歯リスクが高まります。一方、自費治療は10年以上もつことが多く、長期的にみると「安上がり」になることも珍しくありません【参考文献2】。
特にインプラントは「しっかり噛める」「骨が痩せない」という利点もあり、50代以降の生活の質(QOL)向上に直結します。
入れ歯だとこれは難しく、結局は歯茎で噛むので歯茎の痛みを伴います。
ブリッジも両サイドの歯を大きく削る必要があります。
当院の考え方
博多歯科・矯正歯科では無理な自費治療は勧めません。「保険・自費の両方を正しく説明し、納得して選んでいただく」ことを重視しています。そのうえで「どうせやるなら長く安心して使える治療がしたい」という方には、自費治療の価値をしっかりご案内しています。
治療のゴールは「一時的に噛める」ではなく「将来のトラブルを防ぎ、健康を守る」こと。気になる方はお気軽にご相談ください。
参考文献
- Tanaka M, et al. “Longevity of posterior resin composite restorations in Japan.” Operative Dentistry, 2021.
- Sailer I, et al. “A systematic review of the survival and complication rates of all-ceramic and metal-ceramic reconstructions after an observation period of at least 3 years.” Int J Prosthodont, 2007.
- 厚生労働省「歯科診療ガイドライン2023」