2025年6月13日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科の院長です!
インプラント治療は、失った歯を補う優れた方法のひとつですが、すべての方が適応できるわけではありません。特に「骨の量」や「年齢」に関して不安を抱えている方は多いのではないでしょうか?
今回は、インプラントが難しいケースについて、具体例とともにわかりやすく解説します。
骨の量が足りないとインプラントは難しい?
インプラントには「支える土台」が必要
インプラント治療では、人工の歯根を顎の骨に埋め込む必要があるため、一定の骨の厚みと高さが求められます。骨量が不足していると、インプラントが安定せず、治療の成功率が低くなります。
イメージとしては、薄い板と厚い板では打ちつけた釘の安定性が違うのと同じです。
厚い板の方がしっかり立てるので安定しますが、薄い板だと釘が突き抜けてしまいます。
骨が足りない原因とは?
- 長年放置された欠損部の骨吸収
- 歯周病による骨の破壊
- 抜歯直後にインプラントを入れなかったことによる骨の退縮
生まれつきの解剖的な体質もありますが、後天的なのもは防げるといいですね!
対応方法:骨造成手術(GBRやサイナスリフト)
骨の不足がある場合は、骨を再生する手術を行うことで、インプラント治療が可能になるケースもあります。例えば上顎の奥歯では「サイナスリフト」が代表的です。
サイナスリフトとは、上顎洞と呼ばれる副鼻腔の粘膜を持ち上げて骨を増やす方法です

参考文献:Aghaloo TL, Moy PK. “Which hard tissue augmentation techniques are the most successful in furnishing bony support for implant placement?” Int J Oral Maxillofac Implants. 2007;22 Suppl:49-70.
高齢だとインプラントはできない?
年齢だけで判断することはできない
インプラントの可否は「年齢」ではなく「全身の健康状態」と「骨の状態」によって決まります。80代の方でも元気で骨の状態が良好であれば、問題なく治療できることもあります。
高齢者に注意すべきポイント
- 糖尿病や骨粗鬆症などの持病の管理
- 外科手術への体力的な負担
- 嚥下や清掃能力を含めた口腔機能の評価
インプラントより入れ歯が適することも
すべての高齢者にインプラントが最適というわけではありません。メンテナンスの継続が難しい方には、取り外し式の入れ歯の方が良い場合もあります。
参考文献:Mombelli A, Müller N, Cionca N. “The epidemiology of peri‐implantitis.” Clin Oral Implants Res. 2012 Oct;23 Suppl 6:67-76.
まとめ:治療の可否は検査で決まります
インプラントができるかどうかは、CT撮影などの精密検査を行って初めて正確に判断できます。当院では骨量や全身状態を丁寧に評価し、患者さま一人ひとりに適した治療法をご提案しています。
「骨が少ないと言われた」「年齢的に難しいかもしれない」と感じている方も、まずは一度ご相談ください。治療の選択肢は、あなたが思っているより多いかもしれません。
参考文献
- Aghaloo TL, Moy PK. Which hard tissue augmentation techniques are the most successful in furnishing bony support for implant placement? Int J Oral Maxillofac Implants. 2007;22 Suppl:49-70.
- Mombelli A, Müller N, Cionca N. The epidemiology of peri‐implantitis. Clin Oral Implants Res. 2012;23 Suppl 6:67–76.
- Esposito M, et al. Interventions for replacing missing teeth: different types of dental implants. Cochrane Database Syst Rev. 2014.