2025年6月04日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「前歯のインプラントって難しいの?」「見た目は自然に仕上がるの?」——そんな疑問を持つ方も多いかと思います。実は、前歯のインプラントは奥歯に比べて難易度が高く、より専門的な診断と技術が必要です。今回は、前歯インプラントの特徴とリスク、成功させるためのポイントについて解説します。
前歯インプラントの難しさとは?
前歯は口を開けたときに真っ先に見える場所です。そのため、見た目(審美性)の完成度が非常に重要です。さらに、前歯部は骨が薄く、歯肉のラインや形にも個人差があるため、インプラント治療は慎重な対応が求められます。
また、歯槽骨の厚みや歯肉の質が十分でない場合、インプラントが透けて見えたり、歯肉が痩せて見た目が不自然になったりするリスクがあります。
前歯のインプラントが難しい理由
- 骨の量が不足しやすい
前歯部は骨吸収が起こりやすく、特に抜歯後の治癒過程で骨の幅や高さが減少しやすくなります。 - 歯肉が薄いと審美的な仕上がりが困難に
歯肉が薄いタイプの方は、インプラントが透けて見えたり、時間とともに歯肉が下がってしまい、金属部分が見えてしまうこともあります。 - 位置決めの誤差が目立つ
前歯のわずかな位置ズレでも、仕上がりのバランスに大きく影響します。正確な位置決めと角度が非常に重要です。
成功のために必要な処置と技術
前歯部でのインプラントを成功させるには、次のような追加処置が必要になることがあります。
- 骨造成(GBR)
骨が足りない場合は、人工骨や自家骨を使って骨を補います。 - 結合組織移植術(CTG)
歯肉の厚みを補うために、上あごから歯肉を採取して移植することがあります。 - サージカルガイドによる精密埋入
3D画像を元にしたガイドを用いることで、より正確な位置にインプラントを埋入できます。
審美性を保つためのポイントは仮歯
せっかくいい状態で手術ができても、最後の被せ物が良くないと長期的には問題が起きてきます。
そこで仕上げの前に仮歯で生活てもらい、発音や笑顔、食事をとった時に問題がないか精査し、入念にシュミレーションをします
- 仮歯で歯肉の形を整える
最終補綴前に仮歯を装着し、歯肉のラインをコントロールすることで自然な歯茎の形に誘導できます。
まとめ:前歯インプラントは“技術と経験”がカギ
前歯のインプラントは見た目・機能の両面で非常に高度な治療です。しかし、適切な診断と技術があれば、周囲の歯と遜色のない美しい仕上がりが期待できます。当院ではCTによる立体診断、骨造成、歯肉移植などあらゆるケースに対応できる体制を整えています。前歯の欠損でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
- Buser D, et al. Optimizing esthetics for implant restorations in the anterior maxilla: Anatomic and surgical considerations. Int J Oral Maxillofac Implants. 2004.
- Belser UC, et al. Implants in the aesthetic zone: Clinical reality and expectations. Periodontol 2000. 2017.
- Consensus-based Clinical Practice Guidelines for Esthetic Implant Dentistry (日本口腔インプラント学会)