2025年7月18日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
今回は「矯正治療後に歯がしみる」原因とその対処法について詳しく解説します。矯正後の知覚過敏は決して珍しい症状ではありませんが、正しい知識とケアで不安を減らすことができます。この記事では、矯正治療中・治療後の歯のしみる原因や、安心して過ごすための対策についてご紹介します。
なぜ矯正治療後に歯がしみるのか?
矯正後に「歯がしみる」と感じる患者さんは意外と多くいらっしゃいます。これはいくつかの要因が重なって起こる現象です。
- 歯の移動による一時的な神経刺激
矯正中は歯がゆっくりと動かされ、歯根膜や歯の神経に軽微な刺激が加わります。この影響で一時的に知覚過敏のような症状が現れることがあります。 - エナメル質への負担
ブラケットの装着やワイヤーの調整、マウスピースの着脱で歯の表面に摩擦や刺激が加わり、エナメル質が敏感になるケースも。 - 歯肉退縮
特に成人矯正では、矯正力によって歯茎がわずかに下がることがあり、露出した歯の根元がしみやすくなります。
これらの症状は、通常は一時的で、矯正終了後数週間〜数ヶ月で自然に落ち着くことが多いです【参考文献1】。
ただし、強い知覚過敏が1週間以上続いたり、歯の色が変わってきたなどの症状があるようでしたら、歯髄充血の可能性がありますので、早めに矯正担当の歯科医院へご連絡ください。
この場合は早期のケアが必要です。
知覚過敏のセルフケア方法
矯正後の歯のしみには、日常生活でのちょっとした工夫が効果的です。
- 知覚過敏専用の歯磨き粉を使う
硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分が配合された知覚過敏用歯磨き粉は、神経への刺激を緩和してくれます。 - 優しく歯磨きする
力任せのブラッシングはエナメル質を傷め、さらに知覚過敏を悪化させます。柔らかめの歯ブラシで優しく磨きましょう。 - 冷たい・熱いものを控える
症状が強いときは、冷たい飲み物・アイスや熱い飲食物を控えるのも有効です。 - フッ素塗布
歯科医院でフッ素塗布を行うことでエナメル質を強化し、知覚過敏を和らげます【参考文献2】。
歯がしみるときの注意点|セラミックや詰め物が原因のケースも
矯正後にしみる原因は矯正治療だけとは限りません。以下のようなケースも考えられます。
- 詰め物や被せ物(セラミック含む)の不適合
矯正後の噛み合わせの変化で、既存の補綴物が不適合となり、隙間からしみるケースがあります。 - むし歯の進行
矯正中は装置の影響で磨き残しが出やすく、知らぬ間にむし歯が進行していることも。
しみる症状が長期間続く場合や強い痛みがある場合は、必ず歯科医院でチェックしましょう。特にセラミックなどの補綴物が入っている方は、合わせて確認することが大切です。
一般的に矯正専門の歯科医院で矯正のみ行うので、むし歯や歯肉炎などのケアは行っていないことが多いので、矯正の先生とご相談の上、ご相談ください。紹介状でのやり取りも可能です。
まとめ|矯正後の知覚過敏は一時的なことがほとんど
矯正後の知覚過敏は、歯の移動や一時的な刺激によるものであり、多くの場合時間と共に改善します。しかし、適切なセルフケアや歯科医院での定期チェックを怠ると、むし歯や不適合補綴物によるしみのリスクもあるため注意が必要です。
不安な症状が続くときは、遠慮なく当院へご相談ください。当院では矯正治療後のフォローもしっかり行っています。
参考文献
- Long H, et al. “Tooth mobility and root resorption during orthodontic treatment: a systematic review.” Orthod Craniofac Res. 2013.
- West NX, et al. “Management of dentine hypersensitivity: Efficacy of professionally applied agents.” J Clin Periodontol. 2015.