2025年7月28日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「歯医者、もう何年も行っていない…」「久しぶりすぎて行きづらい」——そんな声をよく聞きます。しかし、実は“何年も歯科検診を受けていないこと”そのものが、知らず知らずのうちにお口と全身の健康リスクを高めているかもしれません。
僕は初診の方に必ず「歯医者さんはどのくらいぶりですか?」とお聞きしますが、1-3年ぶりくらいの方が1番多い一方で、週に1人くらい10年ぶり以上の方もいらっしゃいます
この記事では、歯医者に5年以上行っていない方に向けて、今こそ口腔環境を見直すべき理由と、安心して再スタートを切るためのポイントをお伝えします。
5年以上歯医者に行っていないと起こりやすいリスク
● 自覚症状がなくても進行する「サイレントトラブル」
虫歯や歯周病は、初期段階ではほとんど痛みを伴いません。特に歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、自覚のないまま歯ぐきの炎症や骨の吸収が進行し、最終的に歯を失ってしまうこともあります【1】。
歯周病が気になって歯医者さんに来られる方は非常に少なく、多くは歯が痛くて受診していただいた時についでに見つかるケースがほとんどです。
● 全身の健康にも影響が及ぶ可能性
近年では、歯周病と糖尿病・心疾患・脳卒中など全身疾患との関連が多数報告されています【2】。口腔内の炎症を放置すると、体全体の健康リスクも高まることがわかっています。
そもそも口は全身の器官と繋がっています。口から運ばれる食事が消化期間を通るだけではなく、歯茎や舌が赤いように血管が豊富なので、歯周病で破壊された組織や傷から血流に乗って口腔内細菌も全身へ運ばれます。なのでお口の悪い菌は多くない方がいいですし、組織破壊も少ない方がいいのです。長期入院に対応している病院では、歯科がついていて口腔ケアもやっていくところもたくさんあります。
「久しぶりの歯科検診」…実は不安なのは当然です
5年以上も歯医者に行っていない方が抱える共通の不安として、
- 何を言われるか怖い
- 痛い治療になるのでは
- 費用が心配
- 恥ずかしい(汚れ・口臭など)
といったものがあります。しかし、私たち歯科医師は「過去の空白」を責めることは決してありません。むしろ、今一歩踏み出してくれたことを歓迎しています。悪いところを貯めてきていただくと時間も費用もどうしてもかかりますが、小さい虫歯であれば1回で、¥1,000程度で終わることも多いです。
歯科医院の検診でできること
● 精密な口腔チェックで“現状把握”
まずは現在の状態を一緒に確認することから始めましょう。虫歯・歯周病・かみ合わせ・補綴物の劣化などを総合的にチェックし、治療が必要かどうかを丁寧に説明します。
● 必要最小限から始められる治療提案
「全部治さないといけないんじゃ…」と心配される方も多いですが、実際には段階的に必要最小限の治療から進めることがほとんど。無理なく、予算やライフスタイルに合わせて提案できます。むし歯はあるけど痛みがないし治療を希望されない方もいらっしゃいます。もちろんそのお考えは尊重しますし、その中でできることをしっかりやすのが僕の歯科のスタイルです。
お気軽にご相談ください。
今こそ「予防」を再スタートするチャンス
歯科医院は「痛くなってから行く場所」ではなく、「痛くならないために行く場所」へと変わりつつあります。歯科検診を習慣化することで、トラブルの早期発見・治療費の抑制・口臭予防・見た目の改善にもつながります。
まとめ
歯医者に何年も行っていないことを気にする必要はありません。大切なのは“これからどうするか”です。このブログが、お口の健康を見直すきっかけになれば嬉しく思います。
参考文献
- Tonetti MS, Jepsen S, Jin L, Otomo-Corgel J. “Impact of the global burden of periodontal diseases on health, nutrition and wellbeing of mankind: A call for global action.” J Clin Periodontol. 2017.
- Sanz M, Marco Del Castillo A, Jepsen S, Gonzalez‐Juanatey JR, D’Aiuto F, et al. “Periodontitis and cardiovascular diseases: Consensus report.” J Clin Periodontol. 2020.