2026年1月31日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
最近、
「PEEK冠(ピーク冠)って何ですか?」
「保険の白い被せ物とは違うんですか?」
という質問をいただくことが増えてきました。
PEEK冠の取り扱いのない歯科医院は非常に多いですが当院では扱っておりますのでご相談ください。
PEEK冠は、比較的新しい素材を使った被せ物で、
メリットもあれば注意点もはっきりしている材料 です。
今回は、
PEEK冠とは何か・どんな人に向いているのか・注意点 を
歯科医師の立場からわかりやすく解説します。
PEEK冠とは?
PEEK(ピーク) とは、
ポリエーテルエーテルケトン という高機能樹脂素材です。
もともとは、
- 医科(人工関節・脊椎インプラント)
- 航空・工業分野
などで使われてきた、
強度・耐久性・安全性に優れた素材 です。
このPEEKを歯科用に応用した被せ物が
PEEK冠 です。
以前は第二大臼歯や親知らずには白い被せ物が保険で使えませんでした。
歯は奥に行くほど強い力がかかります。
保険治療で使える白い材料はプラスチックになりますので、強度が足りず割れたり、奥に行くほど歯を削れる量が少なくなるので厚みの確保も難しかったのです。
よってずーーーーっと1番奥の歯に関しては銀歯一択でした。
しかし、2023年12月よりPEEK冠が保険導入され、1番奥の歯でも銀歯以外の素材が使えるようになりました。
PEEK冠の特徴
PEEK冠の大きな特徴は、
- 金属を使わない
- とても軽い
- しなやかさがある
という点です。
金属アレルギーの心配がなく、
体にやさしい素材として注目されています。
PEEK冠のメリット
金属アレルギーの心配がない
PEEK冠はメタルフリーのため、
- 金属アレルギーがある方
- 将来的なアレルギーが心配な方
にも使用できます。
軽くて噛み心地がやさしい
PEEKは非常に軽く、
適度なしなりがあります。
そのため、
- 噛んだときの衝撃を和らげる
- 歯やインプラントへの負担を減らす
といったメリットがあります。
割れにくい素材
セラミックのように
強い衝撃でパキッと割れるリスクが低い
というのも特徴です。
- 歯ぎしり・食いしばりが強い方
- 一時的な仮歯的用途
ではメリットになる場合があります。
生体親和性が高い
PEEKは、
- 体になじみやすい
- 炎症を起こしにくい
とされており、
医科分野でも長年使われている実績があります。
PEEK冠のデメリット・注意点
見た目はセラミックに劣る
PEEK冠は、
- やや白濁した色調
- 天然歯の透明感は再現しにくい
という特徴があります。
そのため、
- 前歯
- 見た目を強く重視する部位
には 不向き なことが多いです。
カラーバリエーションがホワイトとアイボリーの2色しかなく、どちらも歯の色とは非常にかけ離れています。白くはできますが、手洗い場のシンクに近い白で真っ白です。アイボリーも肌色に近い色になります。
着色・劣化の可能性がある
PEEKは樹脂素材のため、
- 長期間の使用
- コーヒー・お茶・喫煙
などにより、
着色や表面劣化が起こる可能性 があります。
保険適用ではない
現時点では、
PEEK冠は基本的に保険適用外(自費治療) です。
「白い=保険」というわけではない点は
注意が必要です。
永久的な被せ物としては評価が分かれる
PEEK冠は、
- 長期データがまだ少ない
- セラミックほどの審美性・耐久性評価が確立していない
という側面もあります。
そのため、
- 最終補綴として使うか
- 中長期の選択肢とするか
は、症例ごとの判断が重要です。
PEEK冠が向いているケース
PEEK冠が検討しやすいのは、次のような方です。
- 金属アレルギーがある
- 仮歯〜中期的な被せ物として使いたい
- インプラント上部構造で衝撃を和らげたい
- 歯のダメージや見た目より価格重視
セラミック・CAD冠との違いは?
簡単に比較すると、
- セラミック
→ 見た目が最も自然・硬い・割れるリスクあり - CAD冠(保険の白い被せ物)
→ 費用は抑えられるが耐久性・適応部位に制限あり - PEEK冠
→ 軽くてしなやか、審美性は控えめ
という位置づけになります。
万能な被せ物は存在しない ため、
何を優先するかで選択が変わります。
当院でのPEEK冠の考え方
博多歯科・矯正歯科では、
- PEEK冠を「とりあえず白い歯」としてはすすめない
- 機能的メリットが活きるケースに限定して提案
- セラミック・CAD冠との比較説明を必ず行う
ことを大切にしています。
被せ物は、
歯の寿命を左右する重要な治療 です。
流行りやイメージだけで選ぶべきではありません。
まとめ:PEEK冠は「用途を選ぶ素材」
PEEK冠のポイント をまとめると、
- 金属を使わない体にやさしい素材
- 軽くて割れにくい
- 見た目はセラミックに劣る
- 適応症例の見極めが重要
PEEK冠は、
正しく使えば非常に有用な素材 ですが、
誰にでも・どの部位にも向くわけではありません。
「自分にはどの被せ物が合っている?」
「PEEK冠とセラミックで迷っている」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。
機能・見た目・将来性を踏まえた被せ物選び を、
歯科医師の視点で丁寧にご説明します。