2025年12月11日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
最近、親御さんからよくいただく質問がこちらです。
「歯並びって遺伝だけで決まるの?」
「小さい頃から何かできることはありますか?」
結論から言うと——
✔ 歯並びは遺伝もちょっとある
✔ 子どもの頃の生活習慣で歯並びは大きく変わる
つまり、
正しい習慣を身につけることで、将来の歯並びを予防できる のです。
今回は、小児歯科・矯正の観点から
子どものうちからできる歯並び予防のポイントをご紹介します。
▶ ① 口呼吸をやめて“鼻呼吸”を身につける
今、歯並びが悪い子どもの原因の1位が 口呼吸 といわれています。
口呼吸が続くと…
- 舌が下がる
- 顎の成長が弱くなる
- 前歯が出る
- 顔が長くなる
- 嚙み合わせがズレる
といった問題が起きます。
★ 家庭でできる鼻呼吸トレーニング
いわゆるお口ぽかんの状態はあまり良くないです。
- 寝ている時に口が開いていないかチェック
- 姿勢をよくする
- 舌のトレーニング(あいうべ体操)
- アレルギー性鼻炎の治療
「鼻が詰まって口呼吸になっている」場合は、
耳鼻科との連携も重要です。
▶ ② 舌の正しい位置(舌位)を身につける
舌は 歯並びを内側から支える“天然の矯正装置” です。
正しい舌の位置は…
✔ 上あごにピタッと吸い付く位置(スポット)
舌が正しい位置にあると:
- 上顎が広がる
- 歯列が整う
- 口呼吸が改善
逆に舌が下にあると:
- 受け口
- 出っ歯
- ガタガタ歯列
になりやすくなります。
★ 舌トレーニングの例
- ポッピング(舌を上顎に吸い付けて音を鳴らす)
- タングアップ練習
- あいうべ体操
お家でつけるだけでトレーニングになるマウスピースもありますのでご不明な点がありましたらご相談ください。
▶ ③ 姿勢を整える(特に“猫背”は歯並びを悪くする)
意外ですが、姿勢は歯並びに大きく影響します。
顔の筋肉は首や頭の筋肉とつながり、首や頭の筋肉は背中の筋肉、背中の筋肉は腰の筋肉、腰の筋肉は脚の筋肉…のように一連の構造体になっているからです。
猫背になると…
- 首が前に出る
- 舌が下がる
- 気道が狭くなる → 口呼吸
- 下顎が後ろに下がる
結果として 出っ歯や開咬が進みます。
★ 自宅で注意したい姿勢ポイント
- スマホ・タブレットの長時間視聴
- 食事中の肘つき
- 頬杖
- 寝る姿勢(うつ伏せ寝はNG)
姿勢改善は歯並び予防の基礎です。
▶ ④ しっかり噛む習慣を作る
現代の子どもは柔らかい食事が多く、
顎が成長しにくい傾向があります。
顎の成長が弱いと…
- 歯が並ぶスペースが不足する
- ガタガタになる
- 噛み合わせがズレる
という問題が出ます。
★ 顎を育てる「噛む習慣」
- 野菜や肉を大きめに切る
- するめ・煮干し・りんごなど繊維食品
- 時間をかけて食べるよう促す
顎を正しく育てることは、
歯並びの土台づくり になります。
▶ ⑤ 指しゃぶり・ほっぺ吸いなどの癖を卒業する
以下の癖は 歯並びに直接悪影響 を与えます。
歯並びは内から外へ押す舌と、外から内に押す頬のバランスで決まると言われています(バクシネータメカニズム)。
- 指しゃぶり
- 頬杖
- 爪噛み
- 下唇を噛む
- 舌で歯を押す癖
特に指しゃぶりは
- 出っ歯(上顎前突)
- 開咬(前歯が閉じない)
の原因となり、早めの卒業が必要です。
▶ まとめ:子どもの歯並びは“育てるもの”
歯並びは遺伝だけでは決まりません。
✔ 口呼吸
✔ 舌の位置
✔ 姿勢
✔ 噛む習慣
✔ 生活習慣の癖
✔ 成長観察
これらを改善することで、
将来の歯並びを大きく良い方向に導くことができます。
当院では、小児矯正・MFT(筋機能訓練)にも対応し、
必要に応じて矯正専門医との連携も可能です。
子どもの歯並びが気になる親御さんは小さなことでもいいので
いつでもお気軽にご相談ください。