2025年10月19日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です。
「昔から口で息をしている」「寝るときに口が開いてしまう」
そんな“口呼吸”の習慣は、子どもだけでなく大人の歯並びや健康にも影響を与えることがあります。
最近流行っているミューイングですが、究極のミューイングは鼻呼吸です。
実は、成人になっても口呼吸を続けると、歯並びや噛み合わせの悪化、顔のたるみ、慢性的な不調につながることもあるのです。
今回は、大人の口呼吸がもたらすリスクと、その改善法についてお話しします。
1. 大人の口呼吸、実は珍しくない
仕事中の集中時や、睡眠中に無意識に口が開いている方は少なくありません。
原因としては、
- 慢性的な鼻づまり(アレルギー性鼻炎・花粉症など)
- ストレスや緊張による浅い呼吸
- 姿勢の乱れ(デスクワーク・スマホ首)
- 加齢による口輪筋・舌筋の低下
が挙げられます。
口呼吸は「呼吸のクセ」にすぎないと思われがちですが、口腔機能や歯並びに直結する問題です。
実は大人になっても歯並びって変わってきます。歯科医師として生活していると、「だんだん前歯が出てきた」や「奥歯がだんだん倒れてきた」というお悩みでいらっしゃる方もたくさんいます。若い方はあまりピンとこないかもしれませんが、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんにきてみてください。意外とそう感じている方は多いのですが、この悩みは歯科医師にしかほとんど打ち明けないと思うのであまり聞き馴染みはないかもしれません。
2. 大人の口呼吸が歯並びに与える影響
🦷 舌の位置が低くなる
口呼吸では、舌が上顎(口の天井)から離れ、下に落ちたままになります。
舌が歯列を内側から支えなくなることで、
- 上の歯が内側に傾く
- 下顎が下がる
- 噛み合わせがずれる
- 顎がたるむ
といった歯列不正や顎位の変化を招きます。
😮 唇と頬の圧力バランスが崩れる
口が常に開いた状態では、唇や頬の筋肉が緩み、
歯列を外から支える力が不足します。
その結果、
- 出っ歯(上顎前突)
- 口が閉じにくい
- 顔の下半分が間延びする
といった口元の見た目の変化が起こりやすくなります。
3. 口呼吸が招く全身への影響
- ドライマウス(口の乾燥) → むし歯・口臭のリスク上昇
- 睡眠の質の低下 → いびき・無呼吸症候群
- 集中力の低下や慢性疲労
- 免疫力の低下(鼻が持つ加湿・除菌機能が働かないため)
このように、呼吸の習慣ひとつで口腔内だけでなく全身の健康にも影響が及びます。
口呼吸は百害あって一理なしなのです。
4. 大人の口呼吸を改善する方法
✅ ① 原因を見極める
鼻づまり・アレルギー性鼻炎がある場合は、耳鼻科での治療が必要です。
一方で、口周りの筋力や姿勢の問題であれば、歯科でのアプローチが有効です。
✅ ② MFT(口腔筋機能療法)で筋肉を鍛える
MFTとは、舌・唇・頬の筋肉を正しく動かす訓練法です。
具体的には、
- 舌を上顎に押し付けるトレーニング
- 唇を閉じて鼻呼吸を意識する練習
- 姿勢を整えて呼吸の通りを良くする指導
などを通じて、自然と鼻呼吸ができる口腔環境を作ります。
つまミューイングに代表される顔や口周りの筋トレです。
✅ ③ 歯列矯正で口元バランスを整える
歯並びや顎の位置が原因で口が閉じにくい場合は、
マウスピース矯正やワイヤー矯正で歯列を整えることで、
自然に口が閉じやすくなり、鼻呼吸へ移行しやすくなります。
これは歯科医師にしかできないことなので、ぜひご相談ください。
5. 当院の取り組み(福岡・博多区)
博多歯科・矯正歯科では、
- 口呼吸チェック(舌の位置・口唇閉鎖力・姿勢)
- MFT(口腔筋機能療法)のトレーニング指導
- 矯正治療による根本改善
を組み合わせて、成人の口呼吸の原因を総合的に改善しています。
また、平日21時まで・土日祝も診療で、
お仕事帰りや休日にも通いやすい環境を整えています。
普段お仕事をされている方が多い博多でも便利に利用してもらえるような体制を整えております。
まとめ
- 大人の口呼吸は歯列不正・顔貌変化・全身不調の原因になる
- 舌・唇・姿勢などの筋機能トレーニング(MFT)が効果的
- 歯列矯正との併用で、見た目と機能の両面から改善可能
福岡市博多区で「口呼吸を直したい」「歯並びや口元のバランスを整えたい」という方は、
ぜひ博多歯科・矯正歯科へご相談ください。
参考文献
- 日本矯正歯科学会「成人の歯列不正と口腔機能」2021年
- Harari D. et al. “Mouth breathing and its impact on facial growth and occlusion.” Angle Orthodontist, 2010
- 厚生労働省「口腔機能低下症と生活習慣に関する調査」2022年