2026年2月01日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
「セラミックとジルコニアって何が違うんですか?」
「ジルコニアもセラミックって聞いたけど、別物なんですか?」
この質問は、被せ物治療を検討している方から非常によくいただきます。
結論から言うと、
ジルコニアはセラミックの一種 です。
ただし、登場した時代や性質が大きく違うため、臨床では分けて呼ばれている
という背景があります。
今回は、
セラミックとジルコニアの違い と
なぜ別々の名前で呼ばれているのか を、歯科医師の立場からわかりやすく解説します。
まず前提:ジルコニアは「セラミックの仲間」
歯科でいう セラミック とは、
- 金属を使わない
- 陶材(とうざい)系の材料
の総称です。
その中に、
- 従来のセラミック(陶材)
- ジルコニア(酸化ジルコニウム)
が含まれます。
つまり分類上は(特に材料工学や化学の分野では)
ジルコニアも立派なセラミックの一種 です。
それでも「セラミック」と「ジルコニア」を分けて呼ぶ理由
ここが一番のポイントです。
ジルコニアは、
- 従来のセラミックより かなり後に登場
- 性質が大きく異なる
- 用途・考え方が違う
という理由から、
臨床現場では区別して呼ばれるようになりました。
例えるなら、
- 「車」という大きな分類の中に
- 「ガソリン車」と「電気自動車」がある
ようなイメージです。
同じ仲間だけど、
使い方・特徴が違うため分けて説明した方が分かりやすい
というのが実情です。
元々審美歯科では、メタルボンドと呼ばれる金属のフレームに陶材を焼き付けて見た目をカバーするデザインが一般的でした。陶材単品だと割れやすかったので金属を仕込んでいたのですが、金属はご存知のように銀色なので陶材から色が透けてしまったり、金属と接している歯茎付近が黒くなる問題もありました。
その後、オールセラミックとも呼ばれるガラス系のセラミックが登場し、非常に高い透明感と歯としっかりくっつけることができる性質でゲームチェンジが起きました。現在でもこのガラス系のセラミックをセラミックと呼びます。
しかし、ガラスなのでやはり割れにくく、奥歯では安心して使えませんでした。
そこでジルコニアという硬いセラミックが登場し、丈夫さと白さを兼ね備えるようになりました。
従来のセラミック(陶材)の特徴
まとめていきましょう。
「セラミック」と呼ばれているものは、
- ガラス成分を多く含む
- 透明感が高い
- 天然歯に非常に近い見た目
が特徴です。
セラミックのメリット
- 審美性が非常に高い
- 前歯に最適
- 変色しにくい
- プラークが付きにくい
セラミックのデメリット
- 強い力で 割れるリスク がある
- 歯ぎしり・食いしばりが強い方には注意が必要
ジルコニアの特徴
ジルコニア は、
- 酸化ジルコニウムという素材
- 非常に硬い
- 医科では人工関節にも使われる
という特徴があります。
従来のセラミックの
「割れやすい」という弱点を補うために登場しました。
ジルコニアのメリット
- 非常に強度が高い
- 割れにくい
- 奥歯やブリッジにも使いやすい
- 金属アレルギーの心配がない
ジルコニアのデメリット
- セラミックより透明感は劣る(※改良は進んでいる)
- 硬すぎて噛み合う歯を傷めることがある
- 見た目最優先の前歯では物足りない場合がある
「見た目重視」か「強度重視」かで選択が変わる
後から出てきたジルコニアが最新で最強というわけではなく、両者は違ったいいところがあるのでケースによって選択します。
簡単に整理すると、
- 見た目を最優先したい → セラミック
- 噛む力・耐久性を重視 → ジルコニア
という選び方になります。
最近では、
- 内側はジルコニア
- 表面にセラミックを焼き付ける
といった ハイブリッド的な被せ物 もあり、
症例に応じて使い分けることが重要です。
「ジルコニア=最強」ではない点に注意
強度が高いジルコニアですが、
- 硬すぎる
- 調整が不十分
な場合、
- 噛み合う歯がすり減る
- 顎に負担がかかる
ことがあります。
そのため、
どんな素材を使うか以上に、
どれだけ精密に作り・調整するかが重要 です。
当院の被せ物治療に対する考え方
博多歯科・矯正歯科では、
- セラミック=前歯
- ジルコニア=奥歯
と単純に決めつけません。
- 噛み合わせ
- 歯ぎしり・食いしばり
- 見た目の希望
- 将来のリスク
を総合的に判断し、
その方にとって一番長持ちする素材 をご提案します。
まとめ:ジルコニアはセラミック、でも性格が違う
セラミックとジルコニアの違い をまとめると、
- ジルコニアは セラミックの一種
- 後から登場し、性質が大きく違うため分けて呼ばれる
- セラミックは審美性重視
- ジルコニアは強度重視
- 万能な素材は存在しない
被せ物選びで大切なのは、
「どの素材が一番いいか」ではなく
「自分の口に一番合うか」 です。
「前歯と奥歯でどう選べばいい?」
「自分はどちらが向いている?」
そんな疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
見た目と機能、両方を考えた被せ物選び を、
歯科医師の視点で丁寧にご説明します。