2025年10月18日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です。
「いつも口が開いている」「寝るときに口で息をしている」といった口呼吸の習慣は、
虫歯や歯周病のリスクだけでなく、歯並びや顔の形にも大きな影響を与えることをご存じでしょうか?
今回は、意外と知られていない「口呼吸と歯列不正(歯並びの乱れ)」の関係について解説します。
1. 口呼吸とは?
本来、人間は鼻呼吸が正常な呼吸方法です。
鼻は空気を加湿・除菌して体内に取り込む働きを持ち、健康を守る重要な器官です。
しかし、アレルギー性鼻炎や花粉症、鼻づまりなどをきっかけに、
無意識に口で呼吸する習慣がついてしまうことがあります。
この「口呼吸」が続くと、口腔内の乾燥だけでなく、顎や歯列の発育にも悪影響を及ぼします。
近年はこの分野の研究が進み、小児でも成人でも睡眠歯科や呼吸様式による発達学など、呼吸にまつわるワードがキーになってきています。
2. なぜ口呼吸で歯並びが悪くなるの?
🦷 理由①:舌の位置が下がる
正常な鼻呼吸では、舌は上顎(口の天井)にぴったりとついています。
ところが口呼吸になると、舌が下がり、歯を内側から支える力がなくなります。
その結果、
- 上の歯列が狭くなる
- 前歯が前に出る(出っ歯)
- 開咬(前歯が噛み合わない)
といった歯列不正が起こりやすくなります。
😮 理由②:唇や頬の圧力バランスが崩れる
口呼吸では常に口が開いているため、
唇や頬の筋肉バランスが乱れ、歯列を外側から押さえる力が不安定になります。
結果として、
- 前歯が前方に倒れる
- 顎が下がって「ぽかん口」になる
- 顔の下半分が長く見える
といった顔立ちの変化を招くこともあります。
これをバクシネータメカニズムと言います。
3. 特に子どもは要注意
成長期のお子さんにとって、呼吸の仕方は顎の発育そのものに関わる重要な要素です。
口呼吸が続くと、
- 顎が小さくなって歯が並ぶスペースが減る
- 鼻の骨や上顎の成長が妨げられる
- 将来的に矯正治療が必要になる
といったリスクがあります。
早期に気づいて改善できれば、歯列不正の予防にもつながります。
また、鼻呼吸には外気の加湿と鼻毛で異物除去をするというまさに加湿機能付きの空気清浄機的役割があるのですが、口呼吸になるとこの機能が働かないので免疫が落ちます。それによりアレルギー体質になったり、風邪をひきやすかったり、成長にも影響があると言われています。この辺りは若干まだ証明されていないところもありますが、確からしいことも多くあり、今注目の分野でもあります。
4. 口呼吸を改善するには
✅ ① 原因を特定する
鼻づまり・アレルギーなどが原因の場合は、耳鼻科との連携が必要です。
✅ ② 舌・唇の筋肉を鍛える
「MFT(口腔筋機能療法)」と呼ばれるトレーニングで、
舌・頬・唇の筋肉バランスを整え、自然と鼻呼吸に戻すことができます。
✅ ③ 矯正治療で根本改善
歯並びの乱れがすでにある場合は、
矯正治療で顎の位置・歯列の幅を整え、呼吸しやすい環境を作ります。
主にMFTと呼ばれる口周りの筋トレやストレッチ、また専用のマウスピースを併用することもあります。
5. 当院の取り組み(福岡・博多区)
博多歯科・矯正歯科では、
- 口呼吸の原因診断(姿勢・舌の位置・口唇閉鎖力)
- MFT(口腔筋機能療法)の指導
- 矯正治療による歯列・顎のバランス改善
を組み合わせて、根本からの口呼吸改善を目指しています。
また、平日21時まで/土日祝も診療しており、
お子さんから大人の方まで通いやすい体制を整えています。
まとめ
- 口呼吸は歯並び・顔立ち・健康に悪影響を及ぼす
- 舌の位置・唇の力・呼吸経路が歯列形成に深く関係
- 早めの対策で、矯正やMFTによる改善が可能
福岡市博多区で「口呼吸や歯並びが気になる」「お子さんの口がいつも開いている」という方は、
ぜひ一度、博多歯科・矯正歯科へご相談ください。
参考文献
- 日本矯正歯科学会「口腔習癖と歯列不正の関係」2022年
- Harari D. et al. “The effect of mouth breathing versus nasal breathing on dentofacial and craniofacial development.” Angle Orthodontist, 2010
- 厚生労働省「子どもの口呼吸と成長発達に関する調査」2021年