2025年9月26日
こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です。
「むし歯は必ず削らないといけない」と思っていませんか?
当院にもよく、「歯が黒いのですが、削らなくてもいいですか?」とご質問される患者さんがいらっしゃいます。ご自身の口腔内に意識を向けられていて素晴らしいなーといつも思います。
実は近年の歯科医療では、削らなくてもよいむし歯と削るべきむし歯の判断を明確に分けるようになっています。
基本的に「歯は削ると寿命が縮む」という大前提があります。治療をしても再生をするわけではなく、金属やプラスチック、セラミックなどで「代替」するのですが、それらは歯よりも劣化しやすいのです。やがて、劣化した部分に汚れが溜まり、細菌が繁殖し、むし歯や歯周病を助長します。これはもちろん必ず起きることではないですが、同じ方の同じ歯でも、むし歯治療を受けたことによってそのリスクが上がることは間違いありません。
削らなくていいむし歯とは?
1. 初期むし歯(C0〜C1)
- 歯の表面が白く濁ったり、うっすら茶色になった状態
- エナメル質の範囲にとどまっているため、再石灰化によって自然に進行が止まる可能性がある
- 削らずに「フッ素塗布」「歯磨き指導」で管理します
このフェーズで見つけることができれば管理可能です。ただし、症状がほぼないので自分で見つけるのは至難の業です。
2. 進行が止まっているむし歯
- 黒っぽく変色していても、進行が止まって硬くなっている場合があります
- 痛みや穴が広がっていなければ、経過観察が可能です
➡︎ 削らない方が歯を長持ちさせられるケースも多いのです。
削るべきむし歯とは?
1. 穴が開いたむし歯(C2以降)
- エナメル質を越えて象牙質に達したむし歯
- 自然治癒は不可能で、進行すると神経に達し激しい痛みを伴います
- 詰め物や被せ物で治療が必要
2. 進行が速いむし歯
- 柔らかく、触ると崩れる状態のむし歯は急速に広がります
- 放置すると短期間で神経まで到達する危険性があるため、早期治療が必須
3. 自覚症状があるむし歯
- 冷たいもの・甘いものでしみる
- 噛んだときに痛む
➡︎ これらの症状がある場合は削るべきサインです
削る・削らないの判断基準
- レントゲン検査
- ダイアグノデント(レーザーを用いたむし歯検知器)
- 視診・触診
これらを組み合わせて「歯をできるだけ残す」MI(Minimal Intervention=最小限の侵襲)の観点から判断します。
大事なのは、飾るべきかどうかは、目で見るだけでは絶対に分かりません。レントゲンが必須です。当院では必要に応じて高解像度かつ低被曝のレントゲンを必要に応じて複数使い分けて精査します。初診時は追加のレントゲンを撮っても費用をいただいていません。
当院の取り組み(福岡・博多区)
- 精密検査(デジタルレントゲン・口腔内スキャナー)でむし歯の進行度を正確に診断
- 削るべきかどうかを写真や画像を見せながら丁寧にご説明
- 削らずに管理できるむし歯は、極力削らない方針
- 土日祝も診療/平日21時まで/休診日なし → 忙しい方でも定期チェックが可能
症状のない、管理可能なむし歯は自分で見つけようとせず、歯科医院で早めに見つけ、ケアすることが大切です。お仕事終わりの方々も通いやすい体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
- 削らなくていいむし歯=初期段階で進行が止まっているもの
- 削るべきむし歯=象牙質に達したもの・進行が速いもの・症状があるもの
- 大切なのは「むし歯を早期に発見し、適切に見極めること」です
福岡市博多区で「できるだけ削らない治療を受けたい」という方は、ぜひ当院にご相談ください。
参考文献
- Featherstone JD. “Dental caries: a dynamic disease process.” Aust Dent J. 2008
- 厚生労働省「う蝕治療におけるMIの考え方」2020年
- 日本歯科保存学会「う蝕治療ガイドライン」2021年