2025年5月14日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
矯正治療というと「見た目をきれいにするための治療」という印象を持たれがちですが、実はむし歯や歯周病の予防にも大きな効果があることが、近年の研究で明らかになっています。今回は、科学的根拠を踏まえながら、矯正治療とお口の健康との関係についてご紹介します。
歯並びの乱れがもたらす口腔内リスク
歯並びが悪いと、歯と歯の間に磨き残しが起きやすくなり、プラーク(歯垢)がたまりやすくなります。これがむし歯や歯周病の原因になります。
特に重なり合った歯や、捻転した歯の周辺は清掃が困難であるため、歯列不正と歯周病との関連は古くから指摘されています(参考文献①)。また、噛み合わせのズレも、特定の歯に過剰な力がかかることで、歯周組織へのダメージを生じさせる要因になります(参考文献②)。
矯正治療で「磨きやすい」口内環境に
矯正治療によって歯並びが整うと、歯ブラシの届きやすい範囲が広がり、プラークコントロールが格段にしやすくなります。また、唇や頬、舌による「自浄作用」も正常に働きやすくなります。
ある研究では、矯正治療後の患者の歯周状態が有意に改善されたことが報告されています(参考文献③)。つまり、矯正は見た目だけでなく、衛生環境を整えるための「機能的治療」でもあるのです。
歯周病予防にもつながる矯正の効果
歯周病は細菌感染に加えて、力の負担も進行因子として重要視されています。矯正治療で正しい咬合に整えることで、力のバランスが取れ、歯ぐきや骨への過剰な負担を軽減できます。
成人矯正で特に注意すべきは、すでに歯周病が進行しているケースですが、適切なプラークコントロールと力のコントロールを両立させることで、予後良好に保てることも報告されています(参考文献④)。
矯正治療は「予防歯科」の一部です
むし歯や歯周病は、一度進行すると元に戻すのが難しい病気です。矯正治療を通して清掃性を高め、噛み合わせを整えることは、一生涯にわたる口腔健康の維持に貢献します。
当院では、矯正前後の口腔内検査・歯周管理を徹底し、むし歯や歯周病のない状態での矯正を基本方針としています。
まとめ:健康的な笑顔のために、予防矯正を
矯正治療は、見た目だけでなく、お口の健康のためにも非常に効果的な治療です。むし歯や歯周病のリスクを下げ、清潔な口内環境を維持することは、将来の抜歯や再治療を減らすことにもつながります。
「見た目」も「機能」も両立させたい方は、ぜひ一度当院へご相談ください。あなたの口腔状態に合った最適な予防型矯正プランをご提案いたします。
参考文献
- Silvestrini Biavati A, et al. Relationship between malocclusion and periodontal disease: a systematic review. Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2007.
- Harrel SK, et al. Occlusal forces as a risk factor for periodontal disease. Periodontol 2000. 2006;40:96–104.
- Bollen AM, et al. Effects of orthodontic therapy on periodontal health: a systematic review of controlled evidence. J Am Dent Assoc. 2008.
- Van Gastel J, et al. Long-term periodontal health in patients with and without orthodontic treatment: a cohort study. Eur J Orthod. 2007.