2025年12月07日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、
博多歯科・矯正歯科、院長です。
前回、前々回と金歯についての記事をきました。
ここで疑問になるのが、
「金歯とセラミック、どっちがいいの?」
という質問です。
実はこの2つ、
どちらが“優れている”というより、
目的・部位・噛む力によって向き不向きが全く違う素材 なんです。
この記事では、歯科医師の立場から
金歯とセラミックを徹底比較し、選び方を分かりやすく解説します。
▶ 結論:奥歯の強度なら金歯、見た目・清掃性ならセラミック
まずはシンプルに結論から。
- 奥歯の耐久性・噛む力への適応 → 金歯が最強
- 前歯・審美面・清掃性 → セラミックが圧勝
ただし、
どちらも“高性能な素材”で、
適材適所で使えば非常に長持ちします。
僕なら、上の奥歯は見えないので金歯、下の奥歯は見えるのでセラミックにします。
では、詳しく見ていきましょう。
▶ 【金歯の特徴】機能性・耐久性のチャンピオン
◎ メリット
✔ ① 圧倒的に長持ち(10〜20年以上も珍しくない)
金属の中でも柔らかさが程よく、噛んだときに歯に優しい素材。
✔ ② 適合精度が高く、むし歯になりにくい
金は細かい調整がしやすく、歯にぴったり合うため
- 隙間ができにくい
- 二次むし歯のリスクが低い
といった大きなメリットがあります。
✔ ③ 噛み合わせが自然に馴染む
歯ぎしりが強い方や、噛み合わせが複雑な方にも相性が良い。
✔ ④ 金属アレルギーが起こりにくい
保険の銀歯とは全く違い、安全性の高い素材です。
△ デメリット
- 見た目が金色で目立つ
- 保険外のため費用がかかる
特に近年は金の値段が高く、年々コスパが悪くなっています。
価格が最大のネックです。
▶ 【セラミックの特徴】美しさ・清潔さ・予防歯科の観点で優秀
◎ メリット
✔ ① 天然歯のような美しさ(透明感・ツヤ)
前歯では圧倒的にセラミックが選ばれます。
✔ ②歯垢がつきにくく衛生的
セラミックは表面が非常にツルツルで、
- むし歯菌
- 歯周病菌
- 着色
がつきにくい素材です。
予防歯科の観点でも非常に優れています。
✔ ③ 金属アレルギーなし
完全ノンメタルなので安心。
✔ ④ 色が変わらない
レジンや銀歯と違い、経年で劣化・変色しません。
△ デメリット
- 強い噛む力で割れることがある
- 素材によっては費用が高い
- 歯ぎしりが強い人はマウスピース必須
特に奥歯の強い噛み込みは慎重な判断が必要です。
噛む力が強い方は、自費治療だと金歯がおすすめです。まず割れたりしないですし、適度な硬さがあり歯にも優しいです。
▶ 【金歯 vs セラミック】機能面で比較

▶ 【部位別】どっちを選ぶべき?
▶ 前歯
セラミック一択。
見た目・透明感・色合わせの精度が段違い。
▶ 小臼歯(前から4番・5番)
- 見た目を重視 → セラミック
- 噛む力が強い → 金歯も候補に
- 見た目が気になる下の歯はセラミックでもいいかも
▶ 大臼歯(奥歯)
- 噛む力が強い方 → 金歯が最強
- 審美性を重視 → ジルコニアセラミック
- 歯ぎしりがある → 金歯 or フルジルコニア+マウスピース
▶ 当院のアドバイス:目的で選べば後悔しない
選び方はとてもシンプルです。
【見た目を優先するなら】
➡ セラミック
【奥歯をとにかく長持ちさせたいなら】
➡ 金歯
【歯ぎしりが強い・噛む力が強いなら】
➡ 金歯 or フルジルコニア
【虫歯を再発させたくないなら】
➡ どちらも優秀。ただし適合力は金歯が少し有利。
▶ 当院では一人ひとりに最適な素材をご提案します
博多歯科・矯正歯科では、
- 咬合力(噛む力)の診断
- 歯ぎしり・食いしばりの評価
- 見た目の希望
- 予算
- 長期的なメンテナンス計画
を踏まえた上で
後悔しない素材選び をサポートしています。
▶ まとめ
金歯とセラミックはどちらも優秀な素材ですが、
向いている用途が大きく違います。
- 見た目・清掃性 → セラミック
- 耐久性・噛む力 → 金歯
しっかり特徴を理解して選べば、
「入れてよかった」と心から思える治療になります。
逆に十分な説明がないと、後悔する選択をすることもあります。
僕は「最後に決める権利があるのは患者さん」というのを信条に歯科医師をしています。
皆さんの力になれますと幸いです。