2025年5月31日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です!
「銀歯は目立つからイヤ」「できれば白い歯で治療してほしい」――そんなご相談をよくいただきます。実は、近年では“保険で白い歯にできる”ケースが増えてきています。しかし、条件や部位には制限があるため、正しく理解しておくことが大切です。今回は、保険でできる白い歯の治療について、わかりやすく解説していきます。
保険で白くできる治療の種類
コンポジットレジン修復(CR)
小さなむし歯や欠けた部分に適用されるのが「コンポジットレジン修復(CR)」です。歯と同じような色のプラスチックを直接歯に詰めて形を整えます。前歯から小臼歯まで対応可能で、見た目も自然です。ただし、大きなむし歯や強い咬合力がかかる部位には不向きです。
CAD/CAM冠(キャドカム冠)
大きなむし歯などで被せ物が必要な場合、条件を満たせば「CAD/CAM冠」という白いかぶせ物が保険で使えます。これは歯科用プラスチックを機械で削り出して作るもので、従来の銀歯に代わる選択肢として注目されています。
これが出てからほとんどのケースで保険で白い歯にできるようになりました。
2020年からはPEEK冠も登場し、第二大臼歯や親知らずにも適用範囲が広がりました。
保険の白い歯には制限がある?
はい。保険治療には以下のような制限があります。
なぜ制限があるかというと、銀歯やセラミックよりも強度が弱いからです!
割れる時は数日で割れますし、外れることも多々あります。
強度がない分、歯を多く削る必要があるため、歯や歯の神経へのダメージも大きい素材です。
- 部位の制限:前歯〜小臼歯は基本的に可能ですが、大臼歯や親知らずは条件付き(上下左右すべての歯が残っているなど)。
- 咬み合わせの強さ:強い力がかかる方には適応外になることも。
- 歯の状態:根管治療が不十分な歯や虫歯の再発リスクが高い歯には不適応になることがあります。
- 歯のサイズ:歯のサイズが小さい方は削りシロがないので難しい場合があります。
自費治療との違いとは?
自費診療では、ジルコニアやセラミックといった高耐久・高審美性の素材が使えます。また、適合精度も高く、長期的な予後が良好なことが多いです。見た目と耐久性を重視したい方には自費治療も選択肢としておすすめです。
まとめ:保険でも白い歯は可能、ただし条件付き
「保険でも白い歯にできる」は本当ですが、すべての歯や症例に適用できるわけではないというのが実情です。当院では、患者さまのご希望とお口の状態を確認した上で、最適な選択肢をご提案しています。
白い歯をご希望の方は、まずはお気軽にご相談ください。
参考文献・出典
- 厚生労働省「医療保険におけるCAD/CAM冠の適用拡大に関する通知」
- 日本歯科保存学会誌「コンポジットレジン修復の臨床成績と将来展望」
- Consensus論文データベース(https://consensus.app/)より:
- Sadeghi M, Lynch CD. “A review of composite resin success and longevity”. J Conserv Dent. 2020
- Zafar MS, et al. “Clinical performance of CAD/CAM materials in dentistry: Systematic review.” J Adv Res. 2021