2026年9月02日

今回は、噛み合わせとお口の健康との関係について解説します。
そもそも「良い噛み合わせ」とは?
噛み合わせというと、
「上下の歯がきれいに並んでいること」
をイメージするかもしれません。
しかし、見た目がきれいだからといって、必ずしも噛み合わせに問題がないとは限りません。
歯科では、
・上下の歯がどのように接触しているか
・左右でバランスよく噛めているか
・顎を動かしたときに歯がどのように接触するか
・特定の歯だけに強い力がかかっていないか
・顎の関節や筋肉に問題がないか
など、さまざまな要素を確認します。
つまり、歯並びと噛み合わせは関係していますが、まったく同じものではありません。
理想的な噛み合わせにはいろんな考え方がありますが、基本は相互保護咬合と呼ばれる噛み合わせが理想的な噛み合わせです。(少なくとも当院ではこれを理想の基準としています)
この噛み合わせは、前歯、犬歯、奥歯にそれぞれ役割があるという考え方で、非常に理にかなった噛み合わせです。文章では少し伝わりにくいので、気になる方は当院のYouTubeの動画をぜひご参考にされてください!
【現役歯科医師が解説! 】 噛み合わせ治療
https://youtu.be/ycQYaRFP-oU?si=bI4XM3znuSUR5YZG
めちゃくちゃマニアックな内容です
噛み合わせが悪いと歯に負担がかかることがある
噛み合わせに問題があると、一部の歯に強い力が集中することがあります。
その状態が長く続くと、
・歯がすり減る
・歯が欠ける
・詰め物や被せ物が壊れる
・歯が揺れる
・歯の根が割れる
などのトラブルにつながることがあります。
特に、神経を取った歯や大きな被せ物が入っている歯などは、状態によって強い力への注意が必要です。
むし歯や歯周病だけでなく、「力」も歯を長持ちさせるために考えたい要素の一つなのです。
歯周病と噛み合わせにも関係がある?
歯周病は、歯垢(プラーク)の中に存在する細菌によって歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。
そのため、噛み合わせだけが原因で歯周病になるわけではありません。
しかし、すでに歯周病によって歯を支える骨が減っているところに過剰な力が加わると、歯への負担が大きくなることがあります。
そのため歯周病治療では、歯磨きや歯石除去だけではなく、必要に応じて噛み合わせについても確認します。
歯ぎしり・食いしばりにも注意
日中の食いしばりや、睡眠中の歯ぎしりによって歯に大きな力が加わる方もいます。
歯ぎしり・食いしばりが強いと、
・歯がすり減る
・歯が欠ける
・被せ物が壊れる
・顎が疲れる
・顎の関節に違和感が出る
などの症状につながることがあります。
特に「朝起きると顎が疲れている」「歯がすり減っていると言われた」という方は、一度噛み合わせや歯ぎしりについて確認してもよいでしょう。
状態によっては、就寝時に使用するマウスピースなどを検討することもあります。
噛み合わせを治せば肩こりや頭痛も治る?
インターネットでは、
「噛み合わせを治せば肩こりが治る」
「噛み合わせが悪いと全身が歪む」
といった情報を目にすることがあります。
確かに、顎を動かす筋肉や顎関節の状態と、顎周辺の痛みや不快感が関係する場合はあります。
しかし、肩こりや頭痛などにはさまざまな原因があり、噛み合わせを治療すれば必ず改善するとは言えません。
あくまで噛み合わせは一つの可能性に過ぎないのです。
特に全身症状だけを理由に、健康な歯を大きく削って噛み合わせを変えるような治療については慎重な判断が必要です。
噛み合わせの治療は、まずお口の中や顎関節などをきちんと診査したうえで考えることが大切です。
噛み合わせはどうやって治す?
噛み合わせの治療方法は、原因によって大きく異なります。
例えば、
・歯ぎしり・食いしばりへの対応
・マウスピースの使用
・詰め物や被せ物の調整・治療
・失った歯を補う治療
・矯正治療
などがあります。
歯並びそのものが原因となっている場合には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって歯の位置を整えることを検討する場合もあります。
大切なのは、「噛み合わせが悪いからとりあえず歯を削る」のではなく、なぜ問題が起きているのかを確認してから治療方法を選ぶことです。
一番簡単な方法は、そしてまずやるべきはマウスピースでいい噛み合わせを模索することです。
これは歯ぎしりがある方であれば保険で行うことができます。
そしてマウスピースはつけ外しが可能なので、元に戻せる治療です。
矯正や被せ物で噛み合わせを完全に変えてしまう前にシュミレーションとしてもよく使います。
見た目だけではなく「長く噛めること」が大切
矯正治療というと、「歯並びをきれいにする治療」というイメージが強いと思います。
もちろん見た目を整えることも大切です。
しかし当院では、それだけではなく、
「治療後も自分の歯で長く噛める状態をつくること」
も重要だと考えています。
きれいな歯並びになっても、一部の歯に過剰な負担が集中していては、長期的には問題が起こる可能性があります。
見た目と機能の両方を考えることが重要です。
当院の診療方針
博多歯科・矯正歯科では、1本の歯だけを見るのではなく、歯並び・噛み合わせ・歯周病・顎関節などを含めて、お口全体を診ることを大切にしています。
例えば歯が欠けた場合でも、単に欠けたところを修復して終わるのではなく、
「なぜこの歯が欠けたのか?」
まで考えることが重要です。
強い食いしばりや噛み合わせが原因として考えられるのであれば、そこに対応しなければ同じトラブルを繰り返す可能性があります。
当院ではワイヤー矯正・マウスピース矯正にも対応していますが、すべての噛み合わせの問題に矯正治療が必要なわけではありません。
現在の状態と治療の必要性をご説明したうえで、一人ひとりに合った方法を一緒に考えていきます。
まとめ
適切な噛み合わせは、食事をしっかり噛むだけではなく、歯や歯ぐき、顎を長く健康に維持するうえでも重要です。
特に、
・特定の歯だけに強い力がかかっている
・歯が頻繁に欠ける
・詰め物や被せ物がよく外れる、壊れる
・歯ぎしりや食いしばりが強い
・顎に痛みや違和感がある
・歯並びや噛み合わせが気になる
という方は、一度確認してみてもよいでしょう。
ただし、噛み合わせを治療すれば全身の不調がすべて改善するわけではありません。
大切なのは、現在どのような問題があり、その原因がどこにあるのかをきちんと診断することです。
博多駅周辺で歯並びや噛み合わせについてお悩みの方は、博多歯科・矯正歯科へお気軽にご相談ください。
見た目だけでなく、「これから先も自分の歯でしっかり噛めること」まで考えながら、お口の健康を一緒に守っていきましょう。
院長
工藤 幸暉(くどう こうき)
経歴
- 九州大学 歯学部卒
- 2025年 デジタル矯正歯科学会認定医取得
- 2026年 日本歯周病学会認定医取得
資格・所属学会
- 九州大学病院歯周病科研修登録医
- 日本歯周病学会所属
- デジタル矯正学会所属
- 大阪SJCD所属
- G.F.Oベーシック修了
- 船越研修会ベーシック修了
- TMJ LIVE インストラクター
- スタディーグループMjARSボードメンバー