2025年10月12日

こんにちは!博多駅博多口から徒歩5分の歯医者、博多歯科・矯正歯科、院長です。
むし歯治療や被せ物の作製などで行う「型取り(印象)」には、シリコンとアルジネートという2種類の材料があります。
実はこの2つ、見た目は似ていても精度・用途・快適さがまったく違うのです。
型取りについての記事はほとんどなさそうでしたが、すごく大事なので今回は2種類の型取り材について解説します。
1. アルジネート印象とは
アルジネートは「海藻由来の粉末材料」で、水と混ぜてペースト状にして使う型取り材です。
✅ 特徴
- 歯型をすばやく簡単に取れる
- 保険診療で主に使用される
- 材料費が安く、固まるまでの時間も短い
❌ デメリット
- 精密さがやや劣る
- 時間が経つと変形・収縮しやすい
- 高精度が求められる「被せ物」や「インプラント」には不向き
➡︎ 主な用途:入れ歯の予備型・マウスピース・矯正模型など
海藻の成分(アルギン酸)でできているので、水分を非常に多く含みます。なので、乾燥にとても弱く、徐々に収縮してしまうのがネックです。主に保険治療の材料で使われます。
2. シリコン印象とは
シリコンは「ゴムのように弾性がある高精度な印象材」です。
粘度の異なる2種類を使い分け、歯の細部まで精密に再現できます。
✅ 特徴
- 非常に高い精度で歯や歯ぐきの形を再現できる
- 時間が経っても変形しにくい
- 精密な被せ物やセラミック治療に最適
❌ デメリット
- 材料費が高く、自費治療で使用されることが多い
- 固まるまでの時間が少し長く感じることがある
➡︎ 主な用途:セラミック・インプラント・精密クラウン・ブリッジ
シリコンは乾燥などで変形しませんので、非常に精密な方が取れます。義手や義足を作る時もシリコンで型を取りますが、コストが高いので保険でカバーされていません。
3. 比較表

4. 最近は“デジタル印象”も登場
当院では従来のシリコン印象に加えて、3Dスキャナーによるデジタル印象も導入しています。
- お口の中をカメラでスキャンするだけで型取り完了
- 嘔吐反射が強い方でも安心
- 高精度&スピーディにデータを取得
👉「型取りが苦手」「嘔吐反射がある」という方に特におすすめです。
当院でもデジタルの型取りに対応しておりますのでご相談ください。
5. 当院の特徴(福岡・博多区)
- 目的に合わせた最適な印象方法を選択(アルジネート・シリコン・3Dスキャン)
- セラミックやインプラントではすべてシリコン or デジタル印象を使用
- 平日21時まで/土日祝も診療で通いやすい
- デジタル設計で製作も可能
当院では、「通いやすさ」と「選択肢の多さ」をコンセプトにしています。ぜひご相談ください。
まとめ
- アルジネート:簡易・保険中心・短時間
- シリコン:高精度・自費中心・長期安定
- 精密さを求める治療(セラミック・インプラント)ではシリコンがおすすめ
福岡市博多区で「精密な被せ物を作りたい」「型取りが苦手で不安」という方は、
ぜひ博多歯科・矯正歯科へご相談ください。
参考文献
- 日本補綴歯科学会「印象採得に関する指針」2020年
- Craig RG, et al. Dental Materials: Properties and Manipulation. 9th ed. Mosby, 2016.
- 厚生労働省「歯科補綴治療の標準化ガイドライン」2022年